オッサンの行動原理というもの
「マイ・バック・ページ」鑑賞


全共闘時代のオッサンのことをうざったく思う理屈は、その言葉にしてる思想が実は中身のないスッカスカなものだという事にうっすらと感づいてしまってるから

という真理に改めて気付かせてくれる作品である。

松ケン演じる梅山の思想の底浅さと妻ブッキー演じる沢田のセンチメンタリズムな理想主義はそのまま団塊世代の行動原理そのものだ。
理論と感情論のダブルスタンダードと過剰な競争意識と個人主義といいながら個人を尊重しないパーソナル至上の全体主義という矛盾を持つオッサンたちは面倒臭くて理屈っぽくて協調性がない。
でも時にはとってもチャーミングで、リアリストにはないワキの甘さを露呈するという憎めない一面をママ見せる。

俺にとってそんなオッサンは面倒だけどなんか一緒にいてしまうというツンデレキャラに思えてしょうがないのだ(笑)。
なんか羨ましさと格好良さをちょっと感じてしまう。
いや、ちょっとだけだけど(^_^;)


そういうオッサンの行動原理というかインプリントされた”時代”を現代にリビルドした山下敦弘監督の手腕を褒め称えたいと思う。
これを観るとオッサンを好きになること必至。「リンダ・リンダ・リンダ」でも思ったけどこの監督は空気を作るのが巧い。

あと、女はいつの時代も変わらないなぁと感心した。
これ、褒め言葉です。

80点

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索