爺ぃの傑作映画というもの
2009年4月17日 映画 コメント (2)
「チェンジリング」観賞
休日を息子のウォルターと過ごす約束をしていたシングルマザーのクリスティンだったが、職場の応援のために休日出勤をお願いされる。泣く泣く引き受け、夜に帰宅してみると留守番をしてたはずのウォルターの姿がなかった.....
「ミスティック・リバー」「ミリオンダラー・ベイビー」のイーストウッドである。一筋縄ではいかないと思ってたら、やっぱりというか、さすがというか、ズドンとヘビーな大人の映画として仕上がっていた。
圧巻は主演のアンジェリーナ・ジョリーだろう。どちらかというと人気先行型の女優さんだと思っていたらイーストウッドの手によって2段階くらいクラスアップした女優にみえた。脚本だけでなく音楽から出演、そして今作ではキャストのディレクションまでも一流になったイーストウッドの底なしの成長っぷりに舌を巻く。
女性の社会進出とともに増えてきた猟奇事件と警察の腐敗に立ち向かうシングルマザーという設定は、それだけを聞くとスキャンダラスで、客受けを考えるとどれだけでも俗的な内容なりがちなんだが(実際、そこら辺にあるサスペンス映画よりも手に汗握るシーン満載だし)、イーストウッドの根源にある「合衆国を顧みる」姿勢がそうはさせなかった。
権力に対する憂慮をもう老い先短いイーストウッドは次世代に説教してるのだな。「浮かれるな、アメリカ国民」と。
そして最後、曖昧なエンディングに戸惑いつつも希望を持ちながら前をみつめるアンジーに決してハッピーエンドではないのだが安堵と似た感覚を覚えた。きっと彼女の代表作になるだろう。本年度俺的アカデミー最有力作品である。
80近でこんな映画作れるなんて.....バケモノだわ。
88点
休日を息子のウォルターと過ごす約束をしていたシングルマザーのクリスティンだったが、職場の応援のために休日出勤をお願いされる。泣く泣く引き受け、夜に帰宅してみると留守番をしてたはずのウォルターの姿がなかった.....
「ミスティック・リバー」「ミリオンダラー・ベイビー」のイーストウッドである。一筋縄ではいかないと思ってたら、やっぱりというか、さすがというか、ズドンとヘビーな大人の映画として仕上がっていた。
圧巻は主演のアンジェリーナ・ジョリーだろう。どちらかというと人気先行型の女優さんだと思っていたらイーストウッドの手によって2段階くらいクラスアップした女優にみえた。脚本だけでなく音楽から出演、そして今作ではキャストのディレクションまでも一流になったイーストウッドの底なしの成長っぷりに舌を巻く。
女性の社会進出とともに増えてきた猟奇事件と警察の腐敗に立ち向かうシングルマザーという設定は、それだけを聞くとスキャンダラスで、客受けを考えるとどれだけでも俗的な内容なりがちなんだが(実際、そこら辺にあるサスペンス映画よりも手に汗握るシーン満載だし)、イーストウッドの根源にある「合衆国を顧みる」姿勢がそうはさせなかった。
権力に対する憂慮をもう老い先短いイーストウッドは次世代に説教してるのだな。「浮かれるな、アメリカ国民」と。
そして最後、曖昧なエンディングに戸惑いつつも希望を持ちながら前をみつめるアンジーに決してハッピーエンドではないのだが安堵と似た感覚を覚えた。きっと彼女の代表作になるだろう。本年度俺的アカデミー最有力作品である。
80近でこんな映画作れるなんて.....バケモノだわ。
88点