ちょっと切ない思い出というもの
2003年6月25日 ヘタレ恋愛話昔、知り合いだった女の子の話。
彼女は俺より少し年上で初めてあったときは27歳くらいだったと思う。色白で小さい顔、そして巨乳と世の男どもの好みの最大公約数のど真ん中をいってる女の子だったが、彼氏はいなかったようだ。
知り合うきっかけは当時まだマイナーだったパソコン通信。そのオフ会が隣の県であってはじめて挨拶したのがその子だった。
ぱっと見た目、彼女は普通の人とかわりないのだけど、左足が義足でそれを随分と気にしてた。彼氏をつくらないのもきっとそういうとこにコンプレックスがあるからだと思ってた。
俺はB型の女とは馬が合うようで、その子ともすぐ意気投合することができた。義足といってもそれ以外は普通の女の子。酒が好きでエロ話が好きで耳年増なくせに肝心なところが抜けてるかわいい子だった。
身体の関係はなかった。当時俺には付き合ってる子がいたし(そいつ
もB型(笑))、仕事も忙しく二人も囲うほど甲斐性もなかったから(^_^;)。
それに彼女自身、頑なに彼氏をつくることを拒んでたから。
そんな彼女がパソ通に顔を出さなくなったのは半年経った頃。
当時は携帯も持ってる人少ないし、そもそもパソ通なんて薄い関係で相手のことなんにも知らない者ばっかだったから、連絡の取り方ってID宛にメール送ることくらい。
心配になった俺は何度かメールした。
「最近どうしたん?気になるから携帯に電話くれぃ。番号は030-.....」
数日後携帯が鳴った。電話の向こうは聞き覚えのない声。彼女のお母さんからだった。
「は?」
聞けば彼女は重い病気で現在東京の大学病院に入院しているそうだ。片足を失ったのもその病気が原因らしい。
病院でメールをチェックした彼女がお母さんに伝言を頼んだようだ。
「皆さんによろしくと言っておいてください」
お母さんの涙声で彼女の病気が相当進行してることがわかった。なにも言えなかった。とりあえず俺の連絡先だけ教えて電話を切った。パソ通の友人には言えなかった。
彼女が死んだと連絡があったのは、パソ通でもその子の名前が書かれなくなった、数ヶ月後だった。最後は肺に腫瘍が転移して、苦しがったので延命治療をやめたそうだ。
時折見せたもの悲しい笑い顔が脳裏に張り付く。
よお、多少短かったけど、ちゃんと人生楽しんだか?自分の命がわかってて彼氏作らなかったとしたらすごい寂しいぞ。お前は「同情されるのが一番イヤ」が口癖だったけど、責任のない同情に救われることってあると思うんだよ。俺は無責任の責任を全うしたかったよ。お前に対して。
今日が彼女の命日。毎年この日は彼女の好きだったマルボロを買う。
***
五月雨 しとどに落ちる 紫陽花に
弁色香立つ 君の命日
彼女は俺より少し年上で初めてあったときは27歳くらいだったと思う。色白で小さい顔、そして巨乳と世の男どもの好みの最大公約数のど真ん中をいってる女の子だったが、彼氏はいなかったようだ。
知り合うきっかけは当時まだマイナーだったパソコン通信。そのオフ会が隣の県であってはじめて挨拶したのがその子だった。
ぱっと見た目、彼女は普通の人とかわりないのだけど、左足が義足でそれを随分と気にしてた。彼氏をつくらないのもきっとそういうとこにコンプレックスがあるからだと思ってた。
俺はB型の女とは馬が合うようで、その子ともすぐ意気投合することができた。義足といってもそれ以外は普通の女の子。酒が好きでエロ話が好きで耳年増なくせに肝心なところが抜けてるかわいい子だった。
身体の関係はなかった。当時俺には付き合ってる子がいたし(そいつ
もB型(笑))、仕事も忙しく二人も囲うほど甲斐性もなかったから(^_^;)。
それに彼女自身、頑なに彼氏をつくることを拒んでたから。
そんな彼女がパソ通に顔を出さなくなったのは半年経った頃。
当時は携帯も持ってる人少ないし、そもそもパソ通なんて薄い関係で相手のことなんにも知らない者ばっかだったから、連絡の取り方ってID宛にメール送ることくらい。
心配になった俺は何度かメールした。
「最近どうしたん?気になるから携帯に電話くれぃ。番号は030-.....」
数日後携帯が鳴った。電話の向こうは聞き覚えのない声。彼女のお母さんからだった。
「は?」
聞けば彼女は重い病気で現在東京の大学病院に入院しているそうだ。片足を失ったのもその病気が原因らしい。
病院でメールをチェックした彼女がお母さんに伝言を頼んだようだ。
「皆さんによろしくと言っておいてください」
お母さんの涙声で彼女の病気が相当進行してることがわかった。なにも言えなかった。とりあえず俺の連絡先だけ教えて電話を切った。パソ通の友人には言えなかった。
彼女が死んだと連絡があったのは、パソ通でもその子の名前が書かれなくなった、数ヶ月後だった。最後は肺に腫瘍が転移して、苦しがったので延命治療をやめたそうだ。
時折見せたもの悲しい笑い顔が脳裏に張り付く。
よお、多少短かったけど、ちゃんと人生楽しんだか?自分の命がわかってて彼氏作らなかったとしたらすごい寂しいぞ。お前は「同情されるのが一番イヤ」が口癖だったけど、責任のない同情に救われることってあると思うんだよ。俺は無責任の責任を全うしたかったよ。お前に対して。
今日が彼女の命日。毎年この日は彼女の好きだったマルボロを買う。
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五月雨 しとどに落ちる 紫陽花に
弁色香立つ 君の命日