アンドリュー・ラウをはじめとした「インファナル・アフェア」のスタッフが結集して作った最新作はニッポンの人気コミックが原作のカーアクションムービーであった。

「イニシャルD」、「バリバリ伝説」のしげの秀一が週間ヤングマガジンで連載している本作、往年の人気車種”86トレノ”を操り、峠の下り限定で新型のパワーマシンを次々と打ち破る爽快さは柔よく剛を制すの日本人の琴線を程よく刺激し、この漫画に伴い中古車市場でも価格が沸騰したという曰く付きのジェットコースターコミックである。

過去CGを使ったアニメになったのだが、「首都高トライアル」からこっち、規制強化とスポーツカーの売り上げ減等の外的要因で本格的カーアクション映画が廃れていったので、実写での制作は見送られていたフシがある。
それを今回、実写で作り上げた制作陣には素直に敬意を表したい。

台湾の人気歌手を主人公に抜擢、日本からは鈴木杏を出演させ、おそらくアジアでも知名度のある原作をもってきたことを考えると、アンドリュー・ラウ「インファナル・アフェア」ほどの高い志を持って映画製作に関わったわけではないと想像できる。
手持ちの技術を使ってそつなく作ったという意味であるが、それでさえ、ここまでハイクオリティな作品になってしまうとは、香港映画業界の力量を思い知らされる他ない。
翻って我が邦画業界の底の浅さもわかってしまうことになるのだけど。
つーか、この素晴らしいカーアクションは日本の高橋レーシング監修ってゆーじゃんか。
バラエティや西部警察でのアクションがへなちょこに見えるのはカメラワークのせいだってのが良くわかった。なにやってんのよ?邦画業界人は。

主要キャストである台湾・中国人に日本名を強引に名乗らせて作るところや香港映画ではお約束のゲロと鮮血シーンもしっかり盛り込まれてるあたり、香港映画人の節操の無さとバカ具合がほどよくミックスされている。この作品がアジアで大ヒットすると、アジアンムービーのボーダーレス化は更に拍車がかかることになるだろう。
東映には仮面ライダーと戦隊もののアジア化計画を立てることをオススメしたい。アンドリュー・ラウ監督の「仮面ライダー」....すんげぇ面白そうじゃんか。

背中が見えなくなった東宝に一矢報いるためにはこの道しかないと思う。

60点

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