「スパイダーマン・青春白書」鑑賞
 
 
 
.....そんな感じの”3”鑑賞。

今日もニューヨークを守るスパイダーマンは市民の憧れ。ピーターとしてもMJとラブラブな日々を過ごしていた。ついでにハリーが記憶喪失になってくれたおかげで過去の忌まわしい記憶もなくなりまさしく順風満帆だったのだが.....
 
 

やりおった、サム・ライミ。
「死霊のはらわた」三部作の彼がどうして「スパイダーマン」というメジャー作品に固執したのか?どうしてキルステンがMJ役だったのか?
その疑問に答えを用意してくれた彼に拍手をおくりたい。

「ダヴィンチ・コード」と同じような軽薄でえげつなく下品なソニーピクチャーズの番宣だけを観てると、小中学生はいざ知らず、大の大人はこれが少年ジャンプ的な娯楽作品だと思うだろう。事実、ストーリーの上っ面だけを追ってみればサンドマンや偽スパイダーマン出現、そして因縁のハリーとの戦いと和解なんぞは小学生もアツくなれる車田正美もビックリのご都合主義的展開だ。
また中盤までのヌルいロマンスはビバリーヒルズ青春白書ばりで鼻白むほど。

しかしその裏にある今作の大きなテーマ
「赦し」
を中心に考えると前2作を含めた「スパイダーマン」シリーズの壮大なメッセージが読み取れるのである。

それは定石から外れたところにあるマイノリティへの愛なのだ。
はっきりいってピーターはのび太である。オタクで弱くてお調子もん。「3」は敵役のハリーのほうがよっぽどかっちょよく描かれてる。ピーターはプロポーズするつもりがMJの前で他の女とチューしてみたり、あれだけ痛い目にあっていながら同じようなヘマを繰り返したり、ダークサイドに堕ちたときのファッション&ダンスセンスがダサいことこの上ない。こんなヘタレなヒーローはいやしない。
しかし実はそれはライミの、そして我々にもある負の部分なのだ。だから彼は以前にも増してヘタレで懲りないピーターを描くし、我々はピーターが何度失敗してもまた応援してしまうのだな。

ピーター、ハリー、サンドマン、偽スパイダーマン...4者4様の「そうなってしまったワケ」を考えながら観るとちょっと深いかもしれん。
まぁ面白かった。

75点

あ、そうそう、どうしてキルステンがMJ役だったのか?ですが、前述の通り”定石から外れたところにある”のがサム・ライミだから、です。(笑)

スパイダーマン2↓
http://diarynote.jp/d/38325/20040707

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