泣きだけの戦争映画というもの
「俺は、君のためにこそ死ににいく」鑑賞

時は太平洋戦争末期、壊滅的状況の日本軍は、特別攻撃隊という外道作戦を決断する。その基地鹿児島県の知閲飛行場から多くの若者が特攻隊員として飛び立っていくことになるのだが、それを見守る食堂屋のトメの姿があった....

うーん....(ーー;)...
「男たちの大和」では思いもよらず感動しちまった俺だが、これはなんかちょっと「アレ?」という感じだった。
都知事石原慎太郎氏が製作総指揮と脚本を手掛けた本作だが、まず思った程国粋的ではないところに肩透かしを食らう。いや、それは悪くはないんだけど、そのくせ妙に「靖国」を連発するところと合わせて見てみると、腹黒いオヤジがおべっかを使って人心掌握しようとしてる風に見えて尻の座りが悪い。

俳優陣もそうだ。ダイブクボヅカは上手かったが主役の徳重聡くん筒井道隆くんあたりはもうほんと、ヘタクソ(笑)。多分脚本のせいもあるんだろうが、いやに説明調な台詞まわしなのだ。小説じゃないんだから言葉にすると白けるってのがなんでわからんのか?本人も映画作ってるのに。
しかしそんなグズグズを独りで支えたのが岸恵子さんだ。
齢七十五、いまだ色気は衰えず。すげぇおかあさんである。
伊武雅刀、勝野洋、遠藤憲一、石橋蓮治や寺田実という実力派映画俳優が揃ってるのは慎太郎さんの力であろう。となると脚本がダメダメでもキャスティングも含めて彼無しには作りえなかった作品であると考える。

とはいうものの、「硫黄島からの手紙」という満点のカタルシス作品がある以上、”泣かせ”の演出以外差別化をはかれないっちゅーのは、NOと言える大人の日本人として恥ずかしいとは思うんだがなぁ、どうだろうか?

55点

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