「パッチギ! LOVE&PEACE」鑑賞

あれから6年後、父親になったアンソンは息子チャンスの病気を治すため東京で暮らしていた。そんな中、駅のホームでけんかの仲裁にはいってくれた佐藤と仲良くなる。一方妹のキョンジャはチャンスの為に芸能界入りを決意し、家族一丸となって苦難を乗り越えるのだがチャンスの病状は悪くなる一方なのだった....

 
「僕は。きみのためにこそ...」を辛辣にこき下ろした井筒監督の最新作。なるほど、ポーズでもそういうスタンスに立たないと駄目だろうなぁ、こういう映画を作ったのなら。

まず最初に驚いたのが監督の思想が隠すことなくそのまま表に出てる点だ。石原さんですらオブラートに包んだシナリオ(にじみ出るイデオロギーは明らかだが(笑))だったのと対照的である。
まぁ前作の成功のおかげである程度好き勝手作らせてもらったのだろうけど、イデオロギー関係なくても熱い人間にこんなど真ん中ストライクなネタで映画作らせたらそりゃ全編無駄に熱くもなるだろう。観ててとっても疲れた。

疲れた理由は他にもある。エピソードのつなぎが悪く。遊びがないので緊張を強いるのだ。
前作はノンポリ日本人を主人公にしたので薄められていたが、今回は在日朝鮮人主役だ。こんな映画を井筒が作るとなるとしょーがないのかもしれんが、やはり「先の大戦の日本の責任」を突きつけ続ける姿勢は観客を自虐的思考に追いつめて複雑な気持ちになることだろう。

とはいうものの、昨今の右傾化路線に反発する井筒の姿勢はそれはそれで評価に値するし、この映画を「フラガール」並みに公開したシネカノンの火病的精神構造(←褒めてます)にも喝采をおくりたい。

個人的には「僕は...」よりも面白かった。

60点

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