「輪廻」鑑賞。

35年前に起こった群馬のホテルでの大量殺人事件を題材にした映画が製作されることとなった。映画監督の松村は主役に無名の新人杉浦渚を抜擢する。喜ぶ渚だったが撮影に近づくにつれ奇妙な幻覚に悩まされることになる.....

「THE JUON/呪怨」の清水崇が監督の“Jホラーシアター”レーベル作品。
「感染」(落合正幸監督)、「予言」(鶴田法男監督)の二本立てが大失敗したのでここぞと力をいれた清水だったが、どーにも微妙な出来となってしまった。

唯一の問題はこの作品、ホラーじゃないってことだろう。「ゾンビ」や「シャイニング」や「チャイルド・プレイ」(笑)をオマージュしてるというものの、構成は「シックス・センス」的サスペンス映画となっている。
この中途半端な作品性が「輪廻」の評価を下げているといっても良い。

優香と少女の関係や我々が輪廻転生に思う一般的な感覚を逆手に取ったミスリードやクライマックスに全ての謎を明かす演出など、とても上手く作っているにもかかわらず、それが観客に伝わってない。そりゃそうだ、ジャパニーズホラーを求めてる観客はこういう展開を望んでるワケではないのだから。
まぁシャマランにはなれなかったってことだ。

さて、このJホラーシアターは6人の監督が集結して出来たホラーレーベルで前述の3人の他は黒沢清、高橋洋、中田秀夫が残っている。黒沢清のリキ入ったホラーってのは是非観てみたいものだが、これを含めた三作が思ったほど売れなかったのであとの三監督の作品が製作されるか微妙なところだろう。売れない作品は無情に切り捨てる東宝がパトロンだしな。
ホラーなんてそんなに需要がないってことわかってるなら良いのだけど。

53点

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