廃館に思うことというもの
この画像は最近はやりのラーメン館やらカレー館やらのコンセプトフードパークではない。ある商店街の中ほどから撮影した平成の世にいまだ残るリアルな情景だ。
場所はJR富山駅前にひっそりとある横町「シネマ食堂街」、戦後の復興時より働くお父さんを支えたと思われる場末のドヤ街である。
駅前の一等地にある時代の流れから取り残されたといった風情の聖地。馴染みのお店は「とりあえず五平」か「白木屋」という若い娘さんやサラリーマンは足を踏み入れたこともないだろう。

で、そのシネマ食堂街だが、その名の通り奥には駅前シネマがひっそりと建ち、中では成人映画を上映している。
その駅前シネマが今月24日で閉館となる。

斜陽産業であった映画の、更にマイナージャンルであるピンク映画の廃退は昭和の終わりから来たエロビデオの台頭に反比例してどんどん進んでいった。
それでも無くならなかったのは、若手監督のメジャーへの登竜門としての役割があったのと小屋のオーナーが細々とはいえ営業を続けてくれたからだ。

そんな野心と下支えの中、ピンク映画は作品性に生き残る道を見出すことになる。
それはピンク映画=オナニーのオカズというポストを棄てることだ。ともすれば自己否定にもなる大英断を下した。
果たして小さいながらも良作がぽつぽつ生み出され(女優・林由美香」「乳搾り」等)、一般劇場でも公開される例も出てきて、ピンク映画というジャンルが認められてきた。

とまぁかような歴史を踏まえて廃館案内をみるととても寂しい気持ちになるのだな。

俺も高校時代に専門学校生と偽って(笑)何度が観にいったもんなぁ....
ともかくお疲れ様でした。

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