本格高校野球映画というもの
「ひゃくはち」観賞

「尺八」 ではない。ついでに俺が書くからといってピンク映画でもない。
「108(ひゃくはち)」というスポ根映画だ。
名門野球部に入門するも万年スタンド応援で補欠にもなれない2人組の話なんだが、タイトルの数字は人の煩悩の数であると同時に硬式ボールの縫い目の数からとってつけてある。
そうこの映画はベンチ入りすることすらできない2人の高校球児が泥だらけのボールと若人特有のエロ煩悩に振り回される映画なのだな。
しかも恐ろしくリアルで恐ろしくピュアな青春映画に仕上がっている。

ベンチ入りすらできない球児という設定はとても地味と感じるかもしれない。しかしよく考えてみると甲子園に出場できる学校のしかもベンチ入りできる選手ってのは1000人もいないワケで、世の中の高校球児の大半はスタンドで応援したりテレビで観たりする。そんな多くのエリートになれなかった高校球児(「元」含む)が感じる憧れ、悔しさ、諦めなんかがとても良く表現されてる点がリアル。そして

球児も普通の高校生、興味本位でタバコも口にするしチンコも起つ。高校野球も所詮金とコネの世界なんだ

という大前提をきっちり捉えた上で、生涯ベンチ入りすることすらできないとわかって、それでも高校野球と向き合う青年たちを清々しく描ききった演出が見事であった。”白球”を追いかける「タッチ」とか「バッテリー」の対極にある”泥だらけのボール”な作品、高校野球好きな方は必見。磯野コンブさん、観てね。(笑)

88点

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