「フラガール」鑑賞

福島県いわき市。閉山が相次ぎ衰退の一途をたどっていた街にハワイアンセンター建設の計画が持ち上がる。ハワイといえばフラダンスということで、東京からダンサー平山まどかが招聘され、地元からフラガールが募られるのだが.......
 

炭坑+感動ものといえば「ブラス!」が挙げられる。
http://diarynote.jp/d/38325/20040504 参照

「ブラス!」は炭坑の廃止に向かって奏でるもの悲しくも強いブラスバンドの美しさが映える”滅び行く者達”を描いてるのに対し、「フラガール」がどん底から這い上がろうと踊るフラの陽気でありながら艶やかで猥雑な美しさが映える”再生する者達”を描いてる。
この差は大きく、故にアプローチも違って当然なのだが、どうも「ブラス!」テイストも織り交ぜようと欲張ってるフシがある。
途中、炭坑をクビになった高橋克美親子が夕張炭坑に移り住むシーン。昭和40年じゃなく平成18年に生きる我々は、夕張の末路をわかってる故にこのシーンで一抹のもの悲しさを感じさせてしまうのだけど、それってこの映画で必要か?せめて夕張じゃなかったらまだ救われるのに...

とまぁ気になったシーンはここだけ。
あとは100点満点のまさしく”映画”で、ストーリーは予定調和と言うよりもわかりやすく好感が持てると捉えることが出来る。それだけ映画の幹が太いってことだな。
蒼井優、富司純子、松雪泰子という世代を代表する三大女優の三つ巴に、脇を固める岸部一徳、豊川悦司の素晴らしさ。特に松雪泰子は彼女の得意とする”クールやお姉さんキャラ”の中でずば抜けた演技をしてみせた。これが彼女の代表作となるだろう。それっくらい神懸かった映画となった。

とにかく本年度最高作品にあげておきます。
面白かった。

よかったなぁシネカノン....

90点

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