「ディパーテッド」鑑賞

警察へのスパイとして警察学校を卒業したコリンと、過去を断ち切るために警官になったが犯罪者の家族がいるという経歴故にマフィアへ潜入を銘じられたビリー。それぞれの組織はお互いの送り込んだスパイの存在をしることになるのだが.....

ご存じ香港映画の雄「インファナル・アフェア」のハリウッドリメイク作品。
監督にマーティン・スコセッシ、主演にレオナルド・ディカプリオとマット・デイモンをむかえジャック・ニコルソンを配した今作は紛れもない大作として作られたはずなのだが、ポンポンと頭を吹き飛ばすシーンのおかげでR-15指定。

「インファナル・アフェア」が”無間道”という中国仏教経典に由来する”永遠に続く地獄”をモチーフにしてるのに対し、「ディパーテッド」はキリスト教の”慈悲”をほんのさわりだけペロッとなめてるだけ。このあたりの宗教観というか人生観がこの2作の決定的な差となっている。
それは神を信じる「インファナル・アフェア」と己を信じる「ディパーテッド」と言い換えることもできる。それが如実に表してるのがコリンの処理であろう。「インファナル・アフェア」にいてのラウ(=コリン)は、警官として出世することで良心の呵責を感じボスを裏切るが、「ディパーテッド」ではあくまで保身が行動動機となっている。
そのドライな感じが嫌いな人は「ディパーテッド」を評価しないだろうし、西洋人に「インファナル・アフェア」におけるアンディ・ラウとトニー・レオンの湿っぽさは表現できないと思う。
表現できないからこその「ディパーテッド」として捉えるとスコセッシ節が炸裂してるとっても彼らしい作品と言えるのではなかろーか?
とても東洋らしい「インファナル・アフェア」も「タクシードライバー」のスコセッシにかかればニューヨークスタイル(舞台はボストンだけど)になるってことなんだか、それはやっぱ脚本がしっかりしてる証拠であろう。

ということで100点満点とはいえないが「ディパーテッド」、俺は個人的にとっても良かったと思う。リ・イマジネーション作品として及第点です。

「インファナル・アフェア」はこちら
http://diarynote.jp/d/38325/20041013

80点

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