30年後の日本というもの
2008年4月9日 映画
親御さんから引き継いだ工場を潰した先輩がいた。
派手なアメ車を転がしてたが廃業直前にはみる影もなく憔悴してた。「罰が当たったのだ」と嘲笑する人もいたし「奥さんやお子さんが可哀想」と同情する声も聞かれた。
その後、彼は外資系の保険セールスの仕事をはじめる。商才があったのか、数年経った今ではドイツ車に乗り、家を新築した。
父親が病気で入院したので保険会社に連絡すると、その病気では保険金おりないと言われたそうだ。「連絡してくれるか入るときは調子良いことばっか言って...」とぶつくさいってた。まぁでも一割負担だし、高額医療控除も使える。なんとかなる、と話をした。
介護ヘルパーとして働く叔母が介護保険制度が如何に現場を考えてないかとうとうと話す。資金面で余裕がある有料の老人ホームですら職員はきつい仕事を強いられててそのサービスを受ける老人もストレスのせいか、入所していると日に日に悪くなるのがわかるという。いつもは元気な叔母が相当凹んでいた。
そんな中「シッコ」を観る。
アメリカの医療制度のイヤラシサといずれ日本もこうなる予感にゾッとする。団塊の世代が寿命を迎える2〜30年の間に「街に棄てられる患者」が横行する社会になることは昨今の段階的な医療費の増大や労働力の縮小による収入減を考えれば容易に想像できるってもんであろう。
「医療」と「保険」と「行政」の癒着。
これこそが人を、社会を、アメリカという国を殺すのだ、とムーアは言う。
愕然とするのはそのアメリカの尻を追っかけてる我が国にムーアがいないという事実である。実際、文頭の先輩の外車はうちの父親のように保険会社が支払い拒否した金額の一部が給料として当てられているし、本来入院してないといけない患者がヘルパーさんにまでまわってきている。ミドリ十字だのなんだのの、薬害もそうだが、こういう医療制度も癒着があったからそうなった。
そういうマイノリティの声を伝えるのが政治家だが、マイノリティの権利を声高に叫ぶのはフェミニストと変調のエイズキャリアと新興宗教と夢見がちなバカばかり。真面目にやってる人たちはメディアには取り上げてはもらえない。
言いたいことを広めるにはムーアのような洒落っ気と愛がなければならないのだ。皆が解るような言葉と「でもアメリカが大好きなんだぜ!」という気持ちがないと人の心は動かせない。その辺りを上手に表現できる奴がいれば自民党見限るんだけどなぁ。
映画は必見、泣きそうになった。
90点。
派手なアメ車を転がしてたが廃業直前にはみる影もなく憔悴してた。「罰が当たったのだ」と嘲笑する人もいたし「奥さんやお子さんが可哀想」と同情する声も聞かれた。
その後、彼は外資系の保険セールスの仕事をはじめる。商才があったのか、数年経った今ではドイツ車に乗り、家を新築した。
父親が病気で入院したので保険会社に連絡すると、その病気では保険金おりないと言われたそうだ。「連絡してくれるか入るときは調子良いことばっか言って...」とぶつくさいってた。まぁでも一割負担だし、高額医療控除も使える。なんとかなる、と話をした。
介護ヘルパーとして働く叔母が介護保険制度が如何に現場を考えてないかとうとうと話す。資金面で余裕がある有料の老人ホームですら職員はきつい仕事を強いられててそのサービスを受ける老人もストレスのせいか、入所していると日に日に悪くなるのがわかるという。いつもは元気な叔母が相当凹んでいた。
そんな中「シッコ」を観る。
アメリカの医療制度のイヤラシサといずれ日本もこうなる予感にゾッとする。団塊の世代が寿命を迎える2〜30年の間に「街に棄てられる患者」が横行する社会になることは昨今の段階的な医療費の増大や労働力の縮小による収入減を考えれば容易に想像できるってもんであろう。
「医療」と「保険」と「行政」の癒着。
これこそが人を、社会を、アメリカという国を殺すのだ、とムーアは言う。
愕然とするのはそのアメリカの尻を追っかけてる我が国にムーアがいないという事実である。実際、文頭の先輩の外車はうちの父親のように保険会社が支払い拒否した金額の一部が給料として当てられているし、本来入院してないといけない患者がヘルパーさんにまでまわってきている。ミドリ十字だのなんだのの、薬害もそうだが、こういう医療制度も癒着があったからそうなった。
そういうマイノリティの声を伝えるのが政治家だが、マイノリティの権利を声高に叫ぶのはフェミニストと変調のエイズキャリアと新興宗教と夢見がちなバカばかり。真面目にやってる人たちはメディアには取り上げてはもらえない。
言いたいことを広めるにはムーアのような洒落っ気と愛がなければならないのだ。皆が解るような言葉と「でもアメリカが大好きなんだぜ!」という気持ちがないと人の心は動かせない。その辺りを上手に表現できる奴がいれば自民党見限るんだけどなぁ。
映画は必見、泣きそうになった。
90点。