三池の逆輸入映画というもの
2008年5月7日 映画
「インプリント ぼっけぇ、きょうてぇ」観賞
時は明治初期、とある田舎の浮島にある遊郭に一人の外国人が向かう。外国人の名はクリストファー、彼は己が愛し姿を消した女郎の小桃を探しに来島したのだった.....
「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズという世界のホラー映画監督13人のオムニバス作品の内の一つで日本人唯一として三池崇史が監督している。
平成の職業監督、三池らしくそつのない作りは及第点、拷問のシーンは冗長な上にえげつないので体力を奪われるが、その他(胎児のシーンや最後の○登場の部分など)は言うほどたいしたこともない。スプラッターとしては流血の絶対量も足らないし.....
とまぁそれは当然で、この映画、単純なホラーではない。どちらかっつーとファンタジーなのだ。
そう感じる理由は外資本映画であるにも関わらず純和風のメンタリティで作られている点。子どもの虐待には異常に厳しい本作の描写のせいで放映禁止になることなんかスタッフは解っていたはず。にもかかわらずリアルな胎児を使ったのは焦点を日本に合わせているから。主要メンバーを日本人が演じているのなら日本語を使った方が演技に集中できるから楽なはずなのに全編英語会話で製作されているのも日本人に外国語を喋らせることで映画全体を御伽話然としているためと思われる。
また(原作ではモロそれがテーマなのだが)、拷問や堕胎、小桃と奇形の女郎の対比から透けて見える女の情念とこの顛末の要因である日本の宗教観(地獄観といった方が良いかもしれん)の描き方がとても哀しくおぞましく、そして美しくも思えるのだ。
つまり、三池監督は映画の逆輸入を狙って作ったのではないかと考えるワケだ。
クライマックスの○の造形がスポンジボブなところはご愛敬、このあたりも三池のグダグダ感が溢れててよい。
69点
時は明治初期、とある田舎の浮島にある遊郭に一人の外国人が向かう。外国人の名はクリストファー、彼は己が愛し姿を消した女郎の小桃を探しに来島したのだった.....
「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズという世界のホラー映画監督13人のオムニバス作品の内の一つで日本人唯一として三池崇史が監督している。
平成の職業監督、三池らしくそつのない作りは及第点、拷問のシーンは冗長な上にえげつないので体力を奪われるが、その他(胎児のシーンや最後の○登場の部分など)は言うほどたいしたこともない。スプラッターとしては流血の絶対量も足らないし.....
とまぁそれは当然で、この映画、単純なホラーではない。どちらかっつーとファンタジーなのだ。
そう感じる理由は外資本映画であるにも関わらず純和風のメンタリティで作られている点。子どもの虐待には異常に厳しい本作の描写のせいで放映禁止になることなんかスタッフは解っていたはず。にもかかわらずリアルな胎児を使ったのは焦点を日本に合わせているから。主要メンバーを日本人が演じているのなら日本語を使った方が演技に集中できるから楽なはずなのに全編英語会話で製作されているのも日本人に外国語を喋らせることで映画全体を御伽話然としているためと思われる。
また(原作ではモロそれがテーマなのだが)、拷問や堕胎、小桃と奇形の女郎の対比から透けて見える女の情念とこの顛末の要因である日本の宗教観(地獄観といった方が良いかもしれん)の描き方がとても哀しくおぞましく、そして美しくも思えるのだ。
つまり、三池監督は映画の逆輸入を狙って作ったのではないかと考えるワケだ。
クライマックスの○の造形がスポンジボブなところはご愛敬、このあたりも三池のグダグダ感が溢れててよい。
69点