「ブタがいた教室」観賞

6年生になったばっかりの教室に新米の星先生が一匹の子豚を連れてきた。一年間豚を育てて食べようと言う先生に、生徒や教頭は疑問をぶつけるのだが、校長先生が許可を出し飼育する。卒業が迫ってくるのだった.....
 
 
大阪の小学校で行われた豚のPちゃんを使った食育教育とそれをまとめたドキュメンタリーが原案。このドキュメンタリーも物議を醸したが、映画の方も賛否両論真っ二つである。これ程まで意見の分かれる映画も珍しい。

俺自身は家畜をと殺して食肉に加工するところを子供にみせること自体にはなんら問題ないと考えるし、学校教育の場に家畜を持ち込み飼育させた後食うという学習も意味あることと考える。
しかし、昨今のペットブームの多様化で豚を愛玩動物とする場合もあるという現実と飼育する場が養豚場ではなく生徒とふれあえる教室だったということで、ぴーちゃんに家畜以上の愛着が湧いてしまうのは小学生なら当然なことで、それを割り切ってと殺し食させるというのは食育の域を逸脱してると思うのだな。
これが鶏や養殖魚ならそんな問題なかっただろうに。

....と同時に、それくらいインパクトある内容じゃないと真剣に食について考えることはない、とも考える。

古今、教育のやり方が百点満点だったことはない。80点、60点、当時は良くっても時代が変われば10点だった教育もあったかもしれない。(教育勅語とかゆとり教育とか、意見の分かれるところだろう)。でも、90点の教育はもちろん、時代が変化して10点になった教育だってその子供達の人生において同じようにそれなりに糧になってると思うのだな。
つまり「残酷過ぎる」という至極真っ当な意見と同様に「毒の部分も見せるべき」という意見もまた教育的にアリ、ということ。まぁ、だからといって各学校で豚を飼えというワケじゃないんだけどね。

映画としては、盛り上がりをきっちりと押さえた演出が良かったと思うけど、道徳的なことを書くと、実話を元にしたフィクションが映画なんだからエンドロールの後でも良いから、あの時泣いた子供達がお皿の上のトンカツに「いただきます!」と元気よく手を合わせてるカットが必要だと思った。
そこまで観客に丸投げしちゃダメだよ。

50点

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