「スキャナー・ダークリー」鑑賞

今から7年後のアメリカ、そこでは国民の2割が常用している“物質D”と呼ばれる強力なドラッグが蔓延していた。覆面麻薬捜査官のボブ・アークターは、物質Dの供給源を探るためおとり捜査に臨むが自身もジャンキーになってしまう。しかもジャンキー仲間に密告されボブは自分自身を監視するはめになってしまうのだった.....

「ブレードランナー」「トータル・リコール」のフィリップ・K・ディック原作、「スクール・オブ・ロック」「ビフォア・サンセット」のリチャード・リンクレイター監督、「マトリックス」のキアヌ・リーブス主演ということですっげー期待してたのに「ペイチェック」で「JM」な映画であった。
...よーするにつまんなかったってことだけど、これは誰が悪いワケではない。
リチャード・リンクレイターは原作の持ち味を殺さず忠実に映像化してると思うし、キアヌも自分のキャラをよく理解し背伸びしない役柄を上手に演じている。原作が好きな人は十二分に楽しめるはずなのだ。ただ映画としては難解なだけ。

ディックのSF小説は実は一様に難解であるといって良い。特にサイバーパンクのなんたるか?を知らないと頭の中でイメージしにくいのである。
それを大衆のわかるカタチで示したのが「ブレード・ランナー」のリドリー・スコットであり、「トータル・リコール」のポール・バーホーベンであった。
つまり皆が思うディック原作の映画のイメージはこの両監督の作品のフィルターがかかってるといって良い。加えてこの2作の出来が良いもんだから、それ以降の”ディック作品”は失敗作と見られる場合が多いようだ。
そんな中で作った「スキャナー・ダークリー」なのでなんとか前2作とは違ったディック色を出したいと考えたと思われる。だから原作にできるだけ忠実に作った。本作の特徴であるドラッグでラリる男の様をロトスコープというSFX技術で表現してみせた手法は成功してるだろう。でも監督に「スクール・オブ・ロック」を作ったときのように大衆融合が図れたならもっと面白くなってた可能性があるだけに惜しいと思う。
あと、字幕で見てたら普通だが近くの外国人が大笑いしたシーンがいくつかあった。その外人がラリってるのか字幕がミスったのかはわからんが、英語圏の人にしかわからないシニカルギャグが詰まってた作品だとするとまぁそれもアリなのかもしれん。

俺ぁわからんかったので(笑)50点

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