ダンッ!ドンッ!ダンッ!ドン!ドーーーーン
ぱららららぁ〜〜〜〜〜〜 ちゃららぁ〜〜〜〜〜〜〜
じゅわぁ〜〜〜〜〜〜ん♪

さて、なんの音楽でしょうか?

はい、正解。ゴールデンハーベスト映画のオープニングですね。
最後の”じゅわぁ〜〜〜〜〜〜ん”がビミョーに不安定な音になったりして、安物感全開バリバリ。
あの音楽を聞くと30代〜40代の青少年のうち、ある者はヌンチャクを振り回し、ある者は腕を蛇のようにくねらせ、またある者は動いてる車に飛び移る傾向があるらしい。
そんな中、一部の者は早口で「○○しちゃったりしてぇ〜〜〜」と奇声を発する場合がある。そんな連中は十中八九この映画にハマってたに違いない。

「Mr.Boo! ミスター・ブー」

香港のコメディアン、マイケル・ホイとその弟リッキーとサミュエルの3兄弟が繰り広げるドタバタコメディ。日本の70年代コメディ(ドリフや欽ちゃん)のエッセンスを取り込みつつも元来あった京劇のギャグセンスを全面に押し出した喜劇である。
日本公開は78年、それから新シリーズを含め8作公開されたが、実は本場ではシリーズではなく、マイケル・ホイプレゼンツの別作品である。
故に設定は異なるが、ヌルいギャグセンスとご都合主義の展開はまぁどれも似たようなもんだ。(笑)
ところでこのシリーズは台詞を広東語で喋っている。以前の香港映画はどの地方の映画でも北京語を使っていた。これは吉本新喜劇を標準語で作ってたようなもんで、マイケルあたりはとても違和感があったらしい。香港人の密かな抵抗ともとれるが、このムーブメントはそれ以降の香港映画をがらりと変え、広東語一色となるのだ。
そういうところに先鞭をつけたマイケルの偉業は書いておかねばなるまい。

もうひとつ、日本で「Mr.Boo!」が売れた理由は他にもある。
マイケルには悪いが、吹き替えが抜群に良かったのだ。
そう!広川太一郎氏の存在こそ、「Mr.Boo!」のヒットの要因である。
彼の存在とアドリブがなかったらこの映画はこれほどまで売れなかったと断言できる。

逃げるマイケルがサミュエルに向かって言う台詞
「おい!早く降りろ!この馬の駆け足!!」
「え?なんて?」
「パカパカパカって意味だ」

↑こんなセンスは翻訳者にはない。広川氏だからこそ出てくるギャグだ。
その他、語尾の変化やくそまじめにボケるところなど、全編に散りばめられた広川ワールドはそのほとんどがアドリブだと言うから恐れ入る。

DVD発売のおかげでその広川版「Mr.Boo!」(ギャンブル大将とインベーダー大作戦含む3作)を拝見することができる。良い世の中になったものだ。(ノ_・。)....

ちなみに「Mr.Boo!」ではサミュエルとリッキーの吹き替えをツービートが担当している。やんちゃなタケシの張りのある声も是非堪能していただきたい。

60点

ゴールデンハーベスト社についてはこちら
http://diarynote.jp/d/38325/20050502

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