スキルアップというもの
随分と前からこの新聞広告はあるように思う。

「つまらない人...と思われたら一生の損」
「恋も仕事も友情もシラケさせたらおしまい。」

という不安を煽るコピーと共に筆をくわえたオッサンが「笑っちゃうぜ!!」とにらむこの広告。

ユーモア話術通信講座の広告である。

......いや、皆まで言わなくてもわかると思うが、おとなしかった知り合いがいきなりこのオヤジのようなテンションで接してきたら、ドン引きするか、別の意味で笑ってしまうだろう。

大体、仕事にユーモアなんかいらねーだろ。
キチンと誠意持って接してたなら信用はおのずとついてまわる。
友達関係にはそりゃ笑いは必要だけど、”面白いヤツ”が必ずしも”仲の良いヤツ”になるとは限らん。
恋にいたってはユーモアなんざ合コンの小道具にしかならん。そんで盛り上げるだけ盛り上げて、上手いヤツがお持ち帰りする......(笑)

百歩譲ってまぁユーモアも必要だとしよう。
だけど、この広告を見る限りとても有効なセンスやテクニックを磨けるとは思えない。
前述のようにドン引きされて”イタイやつ”というレッテルを貼られさらに自分の立場を悪くするように思う。

とはいうものの、三段抜きの一面広告。しかも相当な新聞雑誌にコンスタントに掲載されてるところを見ると需要があるのかもしれん。恐ろしいことである。

お笑いブームの到来で猫も杓子も”面白いやつ”になりたがる傾向にあるが、「面白いやつがモテるから」とか「つまらないヤツと思われたくないから」とか「流行ってるから」とかの理由でお笑いを求めるものではない。
「笑われることが気持ちいいから」が欲求の根本になくてはならんのだ。

これはお笑いだけでなく、実は全てのスキルに当てはまることで、邪な欲望の元に身につけたスキルは、身に付きにくい上に肝心なときに役に立たないことが多い。

英会話も、料理教室も、各種スキルアップセミナーもみんなそうだ。

受講申し込みのハガキを出す前に今一度考えてもらえれば幸いである。

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