惜しい続編というもの
2006年1月29日 映画
世界的に大ヒットしたサンダンス映画「SAW」の続編「SAW II」鑑賞。
刑事エリックは息子とうまくいっていない。今日もすれ違いだった。そんな中、女刑事ケリーに呼び出され殺人現場に向かった。殺されてたのはエリックの親しい情報屋だったのだ。ケリーはその手口からジグソウが真犯人と確信する。現場に残された手がかりからアジトに乗り込むエリック。あっけなく捕まるジグソウだったが、これこそ新しいゲームの始まりだったのだ.....
前作はその予算の少なさから(ほぼ)ワンセットで撮りきり、本編以外の説明を端折った演出をとった。結果的にそれが物語に深みを与えるとともに、極上のシチュエーションホラーとなる。
ジェームス・ワンとリー・ワネルはわかっていた。
「CUBE」や「ブレアヴィッチ」がしでかした失敗を。
潤沢な予算で今まで鼻にもかけてもらえなかったエディターやクリエイターをあごで使う快感。35ミリのフィルムを惜しげもなく使える贅沢と引き替えに足を引っ張るパトロンの登場、CGやVFXという己の技量以上の映像技術に翻弄され出来上がった作品はそれはもう観るも無惨なクソ映画となった。
金かけて続編映画を作ることの無意味さや先人の失敗を踏まえた二人はプロデュースに徹して若い力に「SAW II」を託した。
結果は
......うーーーん。ビミョー。(^_^;)
いや、先に書いた二作の続編に比べるべくもない良作に仕上がっていることは間違いない。プロローグの見せ方は「SAW」の続編としては及第点だし、ジグソウのキャラクターを掘り下げたストーリーというのも続編としては定番であろう。
はしゃがず抑えた演出や往年の「そしてだれもいなくなった」や「サイン」へのオマージュもどちらかというと好感が持てる。
でもなぁ、なんか物足りない。
前作は「えぇ!そうきたか!」というどんでん返しを楽しむことができた。びっくり箱を開けたときのような嫌なワクワク感(笑)があったのだ。そしてそれに見事に引っかかった。
同じびっくり箱では驚かないってんで仕掛けを作らないってのはなんか手慣れたジジィの手法のような気がしないでもない。若いのになんか寂しいのだな。
ジグソウの人間像を掘り下げるのも良いだろう。猟奇殺人に理屈をつけてみるのも良い。
でも「SAW」でやりたかったこと、あのホンを書いたときの気持ちはまた違っていたはずだ。
ジェイソンだってフレディだってエイリアンだって、あのキャラクターは長年かけてファンが育ててきたものだ。
多くの続編、アナザーストーリー、スピンオフがそのキャラクターを作ってきた。
ジグソウにはその資質がある。
そこをチャチャッと片づける必要はないように思うのだな。
急がず作らずもうちょっと引っ張って色々な猟奇殺人を見せて欲しかった。
そう思う映画であった。
54点
刑事エリックは息子とうまくいっていない。今日もすれ違いだった。そんな中、女刑事ケリーに呼び出され殺人現場に向かった。殺されてたのはエリックの親しい情報屋だったのだ。ケリーはその手口からジグソウが真犯人と確信する。現場に残された手がかりからアジトに乗り込むエリック。あっけなく捕まるジグソウだったが、これこそ新しいゲームの始まりだったのだ.....
前作はその予算の少なさから(ほぼ)ワンセットで撮りきり、本編以外の説明を端折った演出をとった。結果的にそれが物語に深みを与えるとともに、極上のシチュエーションホラーとなる。
ジェームス・ワンとリー・ワネルはわかっていた。
「CUBE」や「ブレアヴィッチ」がしでかした失敗を。
潤沢な予算で今まで鼻にもかけてもらえなかったエディターやクリエイターをあごで使う快感。35ミリのフィルムを惜しげもなく使える贅沢と引き替えに足を引っ張るパトロンの登場、CGやVFXという己の技量以上の映像技術に翻弄され出来上がった作品はそれはもう観るも無惨なクソ映画となった。
金かけて続編映画を作ることの無意味さや先人の失敗を踏まえた二人はプロデュースに徹して若い力に「SAW II」を託した。
結果は
......うーーーん。ビミョー。(^_^;)
いや、先に書いた二作の続編に比べるべくもない良作に仕上がっていることは間違いない。プロローグの見せ方は「SAW」の続編としては及第点だし、ジグソウのキャラクターを掘り下げたストーリーというのも続編としては定番であろう。
はしゃがず抑えた演出や往年の「そしてだれもいなくなった」や「サイン」へのオマージュもどちらかというと好感が持てる。
でもなぁ、なんか物足りない。
前作は「えぇ!そうきたか!」というどんでん返しを楽しむことができた。びっくり箱を開けたときのような嫌なワクワク感(笑)があったのだ。そしてそれに見事に引っかかった。
同じびっくり箱では驚かないってんで仕掛けを作らないってのはなんか手慣れたジジィの手法のような気がしないでもない。若いのになんか寂しいのだな。
ジグソウの人間像を掘り下げるのも良いだろう。猟奇殺人に理屈をつけてみるのも良い。
でも「SAW」でやりたかったこと、あのホンを書いたときの気持ちはまた違っていたはずだ。
ジェイソンだってフレディだってエイリアンだって、あのキャラクターは長年かけてファンが育ててきたものだ。
多くの続編、アナザーストーリー、スピンオフがそのキャラクターを作ってきた。
ジグソウにはその資質がある。
そこをチャチャッと片づける必要はないように思うのだな。
急がず作らずもうちょっと引っ張って色々な猟奇殺人を見せて欲しかった。
そう思う映画であった。
54点