クソミソ映画というもの
クエンティン・タランティーノ久々の監督作品、「デス・プルーフ in グラインドハウス」鑑賞。

この映画は盟友ロバート・ロドリゲスとタッグを組んで作ったオムニバス作品「グラインドハウス」2編の中の一本。(ロドリゲスの監督作品は「プラネット・テラー in グラインドハウス」)
グラインドハウスとはちょうどここで紹介したような(http://diarynote.jp/d/38325/20070817)眉をしかめるような低俗な作品をオールナイト3本立てで上映してるような映画館のことで、タランティーノとロドリゲスは今作でこの映画館の再現を試みている。

それを如実に表してるのが映画の始めに流れるスプラッタ映画の予告編とフィルムについてる傷や音ズレ、フィルム切れ等の演出だ。
どちらも場末のハコにありがちなバカバカしいモノだが、デジタル撮影(だよな?)でフィルムらしさを出すためにはそれなりに工夫が必要だろうし、予告編については実際には存在しない映画をさもありなん風に作ってある点が80年代ホラー映画ビデオを観まくった御仁には感涙ものの出来なのだな。(←特報調の短い予告編を繋げて一本の映画の予告編とするってやりかたね)

もうひとつ、「キル・ビル」でデービッド・キャラダイン、「シン・シティ」でミッキー・ロークを再生させたタランティーノは今作でカート・ラッセルを復活させている。
「遊星からの物体X」で「バックドラフト」のラッセル、もうオッサンでありながら素晴らしいキチガイ役をやってのけている。80年代映画好きはこの部分も注目だ。

その他、カースタントのシーンもアバズレビッチどもも古くさいんだが、グラインドハウスである、こういう映画で正しい。実は最新の撮影器機を使っているのでもうちょっと派手にしようと思えばどれだけでもそう作れたのに、さすが”仕立て”の魔術師タランティーノの本領発揮といったところか。
 
 
「キル・ビル」(70年代ジャパニーズバイオレンス)からこっち、「ホステル」(90年代エログロ)そして「デス・プルーフ」(80年代クソミソ)と好き勝手を繰り返すタランティーノ、残るは本格ウエスタンとカンフーになるのだろうが、どちらを作るのか?
次回作にも期待してしまう俺なのであった。

映画の出来は30点、予告編を含めた全体としては80点。アリでしょう。

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