下の娘の卒園式があった。
保護者会会長のうちの嫁さんは朝から髪結いや着付けやらでドタバタしてる。出来上がった姿はオーロラ輝子みたいな感じだったので素直に感想を言ったが聞いてもらえなかった。(笑)
娘も小学校の制服に袖を通しいささか緊張気味である。
都合7年間通った幼稚園の前には担任の先生がお迎えをしていた。既に泣いている。彼女が年長組の担任をはじめて受け持ったのが今年度、やんちゃ坊主やおしゃまな小娘に随分と手を焼いたと聞く。6月に担任を降ろしてくれるよう園長に直談判したとも聞いていた。彼女にとっても感慨深い年度になることだろう。
式が始まるころになるといつもは化粧っけのなかったお母さんたちがこの日のためにとバリバリの余所行きで集まってくる。知り合いのお母さんと軽く挨拶を交わし、式場に入る。お遊戯会や園祭で幾度となく訪れた場であったが、やっぱりこういう日はひと味違う、凛とした場になってる。
式典は式次第の通り進行し、修了証書授与である。身長順に渡されるので娘は一番最初だ。緊張で肩があがっている。動きもぎこちない。
隣では嫁さんが後に控える会長祝辞の原稿を必死で憶えてる。多分やつも最近では一番緊張してるのだろう。ちょっと可笑しくなるがからかうのは可哀想なんで放っておく。
その祝辞も無事終了し、閉会となる。嫁さんは緊張の余り泣く余裕もなかったそうだ。まぁ人前で話すことがなかった人間がたとえじゃんけんで負けた上での会長職だったとしても、非常に良い経験をしたのではないだろうか。
娘の一番仲の良いハルちゃんと学区の関係で4月から離ればなれになるというので手を繋いでずっと泣きながら話をしていた。オンナはこんな小さい時分からオンナなんだなぁ、と変なところに感動する。

別れは出会いの数だけある。
使い古された言葉だが、こういう儀式に出るとやっぱそう思う。
別れの悲しさ苦しさを知らない人間に出会いのすばらしさはわからないのだ。
悲しみから逃げず泣いてもいいからきちんと向き合うことが、次のすばらしい出会いを生むのだろう。
大きくなってハルちゃんのことは忘れたとしても、このときの涙が己を成長させるのだということをいつか気付いてもらいたい。そんな大きくてかわいい女性になってもらいたいと切に願う。

あと、俺みたいなオトコに騙されないこともついでに願う。

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立山の 裾野は黒く 衣替え

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