娯楽大作といわれる作品を手放しで喜べなくなってしまった俺だが、幼い時はそうでもなかった。じいちゃんに連れられ近所に腐るほどあった「劇場」に行って「スターウオーズ」やら「ジョーズ」やら「東映まんがまつり」やら「食人族」を食い入るように観て悦に浸ったものだ。(最後の映画は娯楽大作ではありませんね)
ビデオの普及とともに映画館に通う回数も減っていって、専らレンタルで楽しみようになる。生粋の映画人の方々から言わせれば邪道かもしれないが、1500円近い鑑賞券が気軽に買えない学生にはその方法しかなかったというのが現状だ。
しかし、そのおかげで自分が生まれる前の映画を観ることが出来るという特典もあったのは確か。

「ナバロンの要塞」
ハリソン・フォード出演の「ナバロンの嵐」はこいつの第2弾である。
「嵐」に比べると地味だが、「ローマの休日」のグレゴリー・ペック、「旅路」のデヴィッド・ニヴン等、新旧入り交じった豪華俳優陣共演と重厚でスリリングな脚本は、現在でいうところのジェリー・ブラッカイマー製映画であろう。金をかけて娯楽を追求したチョー娯楽大作。61年当時はきっと喝采をもって迎えられたのではないだろうか?「アクション大作」の草分けとして相応しい映画だと思う。

「地獄の黙示録」からだろうか?戦争映画には「反戦」や「人の業」といった負のメッセージを含むことが必須となった。80年代後半から90年代初頭にかけて雨後の竹の子のように作られたベトナム戦争映画なんか揃いもそろって湿っぽい。
いや、戦争はいけないことだし、それらの作品が全て駄作だとは言わない。グローバルの波が世界中を席巻してる21世紀に一国を完全な悪役にする映画を制作会社が作れるはずもないのは大いに理解できるが、政治的意図のない単純に楽しめる勧善懲悪な戦争映画をまた観たいモノである。

87点

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