一時期社会現象になった「エヴァンゲリオン」の劇場用2作目。
1作目でとりあえずテレビシリーズの落とし前をつけたつもりがつけきれず(笑)(テレビ版を含めると)三たび制作された完結編である。
社会現象となっただけあって巷には「エヴァ本」と呼ばれる解説本が腐るほどあるので今さら俺が書いたところで誰かの二番煎じにしかならないのはわかっている。
じゃー書くなよ、とおっしゃるな。先日からの子供との約束「ビデオを借りない」令が発動中なので見たいの観れないのよ。
ということで深夜枠で観たこいつをレビュー。
庵野監督といえば古くは「ふしぎの海のナディア」「トップをねらえ」等、オタクな方々に神様と崇められた御仁である。
そんな人が己を批判するような反オタクアニメ....というか反社会的引きこもりアニメをテレビを含めて三作も作るとはたいしたものだ。
実力あるアニメーターが自分の好き勝手なアニメを作ってそれを観客に見せる、まぁ大概の作品はそんなものだが、己を否定するのは珍しい。しかもみせられた側は置いてけぼりになるのを見越して言い切るのも凄いと思う。
元々、他人とうまくコミュニケーションがとれない男の子を軸に人と人との関係性を多くの登場人物を通して描きながらも人類のあり方をも旧約聖書をモチーフに訴える、という物語であるので、落としどころはこんな感じになるのはわからないでもない。ないけれども、前半の主人公碇シンジ君が他人に傷つけられることがイヤで「そんななら人のカタチなんか無くなってしまえばいい」と望むシーンのリアル感と後半の「傷つくかもしんないけどやっぱ自分は自分だよ」と気付くシーンの陳腐さが気になってしょーがなかった。
んで最後のアスカの首を絞めて泣き崩れるシーン、「気持ち悪い」って言わせて終演て....(^_^;
監督はシンジ君にどうして欲しかったのか?これを観た観客になにを訴えたかったのか?「人は傷つきながらでも生きていかねばならないよ。オトナにならねばいけないよ」ということを言いたいんじゃないのか?
もしかしてそういうことを監督自身も信じてないのか?
「オトナになれよ」とほざくお前がコドモかよ!と言いたい。
映像表現は素晴らしい。漢字を多用した美術設定は昔からあるけど、それをアートまで高めたのは評価できる。各種デザインアートにも少なからず影響を与えたのは事実なんだし。
で、この作品の問題点はここにあるように思うのだ。
設定と美術の秀逸さでオタクだけでなく一般人まで巻き込んだ「エヴァ現象」、それは小難しい旧約聖書の解釈なり、近未来の日本の描写であったり、監督の(既存の)カッティング技術だったり、単純に「格好良い」とか「知性がありそう」という単なるイメージだったのだ。
しかし、それが金になると飛びついたバンダイ、角川等のプロバーは更なる付加価値を作品に求めた。ネットや解説本で必要以上に肉付けされ、それにがんじがらめになってしまった監督。大風呂敷を広げるだけ広げてしまった以上、もはや映画化を断るだけの力や強い意志がなかった、というのが真相なのかもしれない。
だとしてもウンコのような映画をみせられるものの身にはならんといかんだろう、クリエーターとしては。(^_^;
そう考えると可哀想な映画だ。
29点
1作目でとりあえずテレビシリーズの落とし前をつけたつもりがつけきれず(笑)(テレビ版を含めると)三たび制作された完結編である。
社会現象となっただけあって巷には「エヴァ本」と呼ばれる解説本が腐るほどあるので今さら俺が書いたところで誰かの二番煎じにしかならないのはわかっている。
じゃー書くなよ、とおっしゃるな。先日からの子供との約束「ビデオを借りない」令が発動中なので見たいの観れないのよ。
ということで深夜枠で観たこいつをレビュー。
庵野監督といえば古くは「ふしぎの海のナディア」「トップをねらえ」等、オタクな方々に神様と崇められた御仁である。
そんな人が己を批判するような反オタクアニメ....というか反社会的引きこもりアニメをテレビを含めて三作も作るとはたいしたものだ。
実力あるアニメーターが自分の好き勝手なアニメを作ってそれを観客に見せる、まぁ大概の作品はそんなものだが、己を否定するのは珍しい。しかもみせられた側は置いてけぼりになるのを見越して言い切るのも凄いと思う。
元々、他人とうまくコミュニケーションがとれない男の子を軸に人と人との関係性を多くの登場人物を通して描きながらも人類のあり方をも旧約聖書をモチーフに訴える、という物語であるので、落としどころはこんな感じになるのはわからないでもない。ないけれども、前半の主人公碇シンジ君が他人に傷つけられることがイヤで「そんななら人のカタチなんか無くなってしまえばいい」と望むシーンのリアル感と後半の「傷つくかもしんないけどやっぱ自分は自分だよ」と気付くシーンの陳腐さが気になってしょーがなかった。
んで最後のアスカの首を絞めて泣き崩れるシーン、「気持ち悪い」って言わせて終演て....(^_^;
監督はシンジ君にどうして欲しかったのか?これを観た観客になにを訴えたかったのか?「人は傷つきながらでも生きていかねばならないよ。オトナにならねばいけないよ」ということを言いたいんじゃないのか?
もしかしてそういうことを監督自身も信じてないのか?
「オトナになれよ」とほざくお前がコドモかよ!と言いたい。
映像表現は素晴らしい。漢字を多用した美術設定は昔からあるけど、それをアートまで高めたのは評価できる。各種デザインアートにも少なからず影響を与えたのは事実なんだし。
で、この作品の問題点はここにあるように思うのだ。
設定と美術の秀逸さでオタクだけでなく一般人まで巻き込んだ「エヴァ現象」、それは小難しい旧約聖書の解釈なり、近未来の日本の描写であったり、監督の(既存の)カッティング技術だったり、単純に「格好良い」とか「知性がありそう」という単なるイメージだったのだ。
しかし、それが金になると飛びついたバンダイ、角川等のプロバーは更なる付加価値を作品に求めた。ネットや解説本で必要以上に肉付けされ、それにがんじがらめになってしまった監督。大風呂敷を広げるだけ広げてしまった以上、もはや映画化を断るだけの力や強い意志がなかった、というのが真相なのかもしれない。
だとしてもウンコのような映画をみせられるものの身にはならんといかんだろう、クリエーターとしては。(^_^;
そう考えると可哀想な映画だ。
29点