アメリカのプロジェクトXというもの
2004年8月29日 映画
当時のアポロプランに係わった人が1995年製のこの作品を観たときこういったそうだ。
「よくもまぁこんな映像が残っていたな」と。
アポロの発射シーンのことである。
発射するアポロをなめるように上から撮影することなんか実際は無理なのでもちろんこれはCGなんだけど、液体窒素で凍ったアポロの表面がバラバラと剥がれるシーンや、何トンという物質が重力に逆らって天に昇るカットの重量感とかは本物以上に本物ぽかった。10年近く前のCG技術なので色の置き方に多少違和感が残るが、6〜70年代アメリカのパステルトーンのイメージと相まって全体的に浮きすぎとまではいってないのが救い。なにより実際のアポロスタッフをも騙せた映像はやっぱり素晴らしいというべきだろう。
主人公のアポロ13のキャプテンににトム・ハンクス、NASAの管制塔リーダーにエド・ハリス、急きょ搭乗が決まった操縦士にケヴィン・ベーコン、という俺の好きな俳優さんそろい踏み、ということだけで文句のつけようがないのだけど、一番良かったのはゲイリー・シニーズ@ダン中尉であろう。風疹の為飛べなかったパイロット、彼が仲間を助けるために寝る間も惜しんでシミュレーターと格闘する姿はかっちょよかった。ただひとつ、トム・ハンクスとは「フォレスト・ガンプ」以来の絡みとなるのだが、どーしてもそのイメージが強くて違和感があったのが悔やまれる。ちなみにその違和感は「グリーンマイル」へ続くのだが。
メジャーアクターと大金を使って作った「プロジェクトX」であるので、ドラマチックな抑揚はない。そのせいか、あれだけの大作であるにもかかわらず映画的な評判はあまり高くない。
でもヒューストンのスタッフが知恵を出し合い問題に当たるシークエンスや当時の時代考証とその再現、前述したリアルを追求してはいるけど大げさでないCGの使い方等、アメリカ映画のいい部分が全面に出た佳作だと思う。
ファミコンなみのコンピューターと精度の低いオメガスピードマスターを使ってマニュアルで大気圏突入するなんざ人間業ではございません。すげぇよ、ラヴェルキャプテン!!
88点
「よくもまぁこんな映像が残っていたな」と。
アポロの発射シーンのことである。
発射するアポロをなめるように上から撮影することなんか実際は無理なのでもちろんこれはCGなんだけど、液体窒素で凍ったアポロの表面がバラバラと剥がれるシーンや、何トンという物質が重力に逆らって天に昇るカットの重量感とかは本物以上に本物ぽかった。10年近く前のCG技術なので色の置き方に多少違和感が残るが、6〜70年代アメリカのパステルトーンのイメージと相まって全体的に浮きすぎとまではいってないのが救い。なにより実際のアポロスタッフをも騙せた映像はやっぱり素晴らしいというべきだろう。
主人公のアポロ13のキャプテンににトム・ハンクス、NASAの管制塔リーダーにエド・ハリス、急きょ搭乗が決まった操縦士にケヴィン・ベーコン、という俺の好きな俳優さんそろい踏み、ということだけで文句のつけようがないのだけど、一番良かったのはゲイリー・シニーズ@ダン中尉であろう。風疹の為飛べなかったパイロット、彼が仲間を助けるために寝る間も惜しんでシミュレーターと格闘する姿はかっちょよかった。ただひとつ、トム・ハンクスとは「フォレスト・ガンプ」以来の絡みとなるのだが、どーしてもそのイメージが強くて違和感があったのが悔やまれる。ちなみにその違和感は「グリーンマイル」へ続くのだが。
メジャーアクターと大金を使って作った「プロジェクトX」であるので、ドラマチックな抑揚はない。そのせいか、あれだけの大作であるにもかかわらず映画的な評判はあまり高くない。
でもヒューストンのスタッフが知恵を出し合い問題に当たるシークエンスや当時の時代考証とその再現、前述したリアルを追求してはいるけど大げさでないCGの使い方等、アメリカ映画のいい部分が全面に出た佳作だと思う。
ファミコンなみのコンピューターと精度の低いオメガスピードマスターを使ってマニュアルで大気圏突入するなんざ人間業ではございません。すげぇよ、ラヴェルキャプテン!!
88点