死刑と映画というもの
2005年1月20日 映画
公開前、すげぇ話題になった映画がしばらくしてパタっと宣伝しなくなったとしたらそれは配給会社が「この映画じゃ儲からん」と判断し、メディアにおべっかを使わなく(広告費という名の貢ぎ物含む)なったからである。
逆に言えば、宣伝広告費をたくさんかけた映画は喩えそれがものすごくつまらない映画でもテレビに取り上げてもらえるのだ。
中にはテレビ局自身が制作・配給ってのもあって、もう必死で特集組んでるところもあるしな。(EX.「踊る大走査線」のフジテレビ、「ハウルの動く城」=日本テレビ、「どらえもん」=テレビ朝日、「あずみ」=TBS)
この「13階段」も製作委員会(という名のノーリスクカッパギ集団)にフジテレビの亀山千広が名を連ねるという、”売れてる原作もってきてポッと作ってみましたぁ”的映画である。まぁほとんどの邦画がそういう状態なんでことさらそのことについてとやかく言うことはないのだけど。
因縁をつけられた相手をはずみで殺してしまった三上純一(反町隆史)が仮釈放された。 そんな彼を刑務官・南郷正二(山崎努)が訪ねる。聞けばある死刑囚のえん罪を晴らす仕事を手伝ってくれと言うではないか。
被害者への慰謝料で切迫していた家計を助けるためこの仕事を引き受けるが、向かう町には殺した佐村の父光男(井川比佐志)が住んでいた。
自らの犯した罪に悩む純一、そして南郷自身も重い業を背負っていたのだった...
死刑制度の是非、人の死とは?被害者の信条、加害者の受けねばならない贖罪とは?という重いテーマを二転三転するストーリーでイッキにみせるサスペンス。
原作は江戸川乱歩賞を受賞したらしい。
原作は未見なので相違はわからないが、少なくとも人物の掘り下げがこんなにも甘くはないはずだ。2時間という尺がある以上、死刑制度の説明にも時間割かないといけないし、浅い人物像になるのは致し方なのないことなのかもしれないが、いくらなんでも山崎努の家族の話をあんなテキトーに表現するのは如何なものか?原作のエピソードだからってんでとって付けるくらいならはじめからバサっと削除するくらいの気合を見せなさい。映画と原作は違うのだから。
俳優陣は以外と健闘。
山崎努…及第点。というかまぁ普段の演技でした。
反町隆史…上手いってワケじゃないけど、まぁ感情移入はできる。
宮迫博之…やっぱすげぇ上手いんだ、この人は。
寺島進…かっちょいい
ただ、台詞をボソボソと喋らす演出が気になった。
自然な演技=ボソボソ喋りという構図はとっくに廃れたのでやめて頂きたい。
大杉漣と井川比佐志が出てきた時点で火サスっぽくなっちゃうのは仕方のないことだが、演出まで火サスにしなくてもいいです。なんだ?あの後半の安っぽいセットと格闘シーンは。(__;)...
死刑制度を扱う邦画ってのはまさしく新機軸であるし、物語も面白いのになぁ。違う監督が撮ればもっと良くなること確実な大変惜しい映画である。
「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」「デッドマン・ウオーキング」を観て勉強するように。
49点
逆に言えば、宣伝広告費をたくさんかけた映画は喩えそれがものすごくつまらない映画でもテレビに取り上げてもらえるのだ。
中にはテレビ局自身が制作・配給ってのもあって、もう必死で特集組んでるところもあるしな。(EX.「踊る大走査線」のフジテレビ、「ハウルの動く城」=日本テレビ、「どらえもん」=テレビ朝日、「あずみ」=TBS)
この「13階段」も製作委員会(という名のノーリスクカッパギ集団)にフジテレビの亀山千広が名を連ねるという、”売れてる原作もってきてポッと作ってみましたぁ”的映画である。まぁほとんどの邦画がそういう状態なんでことさらそのことについてとやかく言うことはないのだけど。
因縁をつけられた相手をはずみで殺してしまった三上純一(反町隆史)が仮釈放された。 そんな彼を刑務官・南郷正二(山崎努)が訪ねる。聞けばある死刑囚のえん罪を晴らす仕事を手伝ってくれと言うではないか。
被害者への慰謝料で切迫していた家計を助けるためこの仕事を引き受けるが、向かう町には殺した佐村の父光男(井川比佐志)が住んでいた。
自らの犯した罪に悩む純一、そして南郷自身も重い業を背負っていたのだった...
死刑制度の是非、人の死とは?被害者の信条、加害者の受けねばならない贖罪とは?という重いテーマを二転三転するストーリーでイッキにみせるサスペンス。
原作は江戸川乱歩賞を受賞したらしい。
原作は未見なので相違はわからないが、少なくとも人物の掘り下げがこんなにも甘くはないはずだ。2時間という尺がある以上、死刑制度の説明にも時間割かないといけないし、浅い人物像になるのは致し方なのないことなのかもしれないが、いくらなんでも山崎努の家族の話をあんなテキトーに表現するのは如何なものか?原作のエピソードだからってんでとって付けるくらいならはじめからバサっと削除するくらいの気合を見せなさい。映画と原作は違うのだから。
俳優陣は以外と健闘。
山崎努…及第点。というかまぁ普段の演技でした。
反町隆史…上手いってワケじゃないけど、まぁ感情移入はできる。
宮迫博之…やっぱすげぇ上手いんだ、この人は。
寺島進…かっちょいい
ただ、台詞をボソボソと喋らす演出が気になった。
自然な演技=ボソボソ喋りという構図はとっくに廃れたのでやめて頂きたい。
大杉漣と井川比佐志が出てきた時点で火サスっぽくなっちゃうのは仕方のないことだが、演出まで火サスにしなくてもいいです。なんだ?あの後半の安っぽいセットと格闘シーンは。(__;)...
死刑制度を扱う邦画ってのはまさしく新機軸であるし、物語も面白いのになぁ。違う監督が撮ればもっと良くなること確実な大変惜しい映画である。
「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」「デッドマン・ウオーキング」を観て勉強するように。
49点