子供だましってーのは嘘の中に如何に真実を加味することができるか?がキモであるワケなのだが、この作品はいくらなんでも安すぎだろう(__;)

「宇宙怪獣ガメラ」
60年代に一世を風靡した怪獣映画「ガメラ」を80年代のテイストでアレンジした(俺の知る限りでは)初のメディアミックス怪獣映画である。

宇宙侵略をたくらむ宇宙海賊ザノン星人、次の目標は地球である。自らの星を滅ぼされたキララ(マッハ文朱)らはその危機を察するが、武器を持たない彼女たちには為す術がない。そんなとき圭一少年からガメラの存在を知る.....

まずフォローから。
倒産後、徳間の資本が入った新大映は順風満帆とは言えなかった。オーナーの徳間康快はテレビ部門や京都・東京撮影所の売却といった資本の切り売りで負債を返還し、かたや「敦煌」等の大作至上主義と唱え新しい負債を生んでいったのだ。当然他の映画製作に余分な金がまわることはなかった。
そんな中「ガメラ」は制作されている。
「ヤマト」や「999」、「こち亀」「筋肉マン」が唐突になんの脈絡もなく出てくるのはそういったメディアミックスによって集客を図ろうとしたからであるのだが、ガメラがアニメのヤマトとランデブーする姿や実写の両さん(ラサール石井ではない)にジャンプを持たせて「これがホントの少年ジャンプ」と言わせるのはどーか?そこまで卑屈になる必要があったのか?

次にキャスティング、当時のマッハ文朱がどれほどの人気があったのかはわからんし、あの衣装や変身シーンも流行りだったのかもしれない。けどあの大根演技はないだろう。子供騙しにも程がある。

そしてなにより酷いのはそのパクり具合である。スターウォーズが流行ってたからといってあんな宇宙戦艦を出すのはやりすぎだ。今やったら訴えられること必至。
それに過去のガメラ作品のフィルムをそのまま使うのもどうか?(^_^;)
怪獣出てくる→戦う→ちょっとピンチになる→反撃→やっつける
の繰り返しで全然面白くない。怪獣映画大ファンの次男坊もそのうち飽きてアドバンスの「でんじゃらすじいさん」をやり出す始末。
子供を引きつけられない子供だまし映画には存在価値すらないと思うぞ。

昨年お亡くなりになった監督の湯浅憲明は戦争映画を得意としていた。だからこそ「大怪獣ガメラ」には自衛隊や逃げまどう人々の描写が細かく描かれている。彼はこの作品をどういう思いで作ったのだろうか?

9点

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