ショーン・コネリー版007の最高傑作が「ロシアより愛をこめて」なら(http://diarynote.jp/d/38325/20040323)ロジャー・ムーア版007の最高作はこれだろう。

「007/私を愛したスパイ」

同シリーズの10作目。ソ連、イギリスの原潜が共に消息不明になる。その調査に両国の諜報員トリプルXとダブルオーセブンが就くことになるが、先の作戦で彼氏を殺したのが007であることを知ったトリプルXは「今作戦の後あなたを殺す」と007に告げるのであった.....

バイクをまいたと思ったら車、それをまいたと思ったらヘリで追いかけられるというチェイスアクションやクスッと笑ってしまうようなロマンスコメディ、荒唐無稽の秘密兵器とリアリティ無視の建造物、”溜め”を無くした全編ノンストップのスペクタクルなんぞ「インディ・ジョーンズ」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」「MI3」と同系列の映画である。
昔の映画なんで特撮も甘いしアクションはしょぼいしロジャー・ムーアエロシーンでしか頑張ってないしではっきりいって現代基準に合わせると凡作といえるかもしれない。

しかし、これがすんげぇ面白いのだ。
冒頭、ひとつ作戦を解決してからオープニングに入るってのが007のお約束なのだが、今回雪山をスキーで逃げるんだけど、黄色と赤のウェアだなんてボンド!目立ち過ぎ!(笑)。で、崖から落ちてあわや!というところでパラシュートがひらいてそこには大きくユニオンジャック!(笑) 「オースティン・パワーズ」が大袈裟に作ってあるワケじゃないってのがよくわかった。
そこからカーリー・サイモンのnobody does it betterに続くのだが、このカブキ感は現代の映画にはないアダルトさを感じて鳥肌が立つ。

今の007に足りないのはこのアダルトさだと思う。ライバル「ミッション・イン・ポッシブル」がトムトムのキュートさで売ってる今のうちにビヨンセでも使って次作はムーディーな映画を作っていただきたいと思う。
あ、ビヨンセは「オースティン...」で使われてるか。(^_^;)

ロータスエスプリを楽しむもよし、「ムーンレイカー」とセットでリチャード・キールの不死身さに笑うもよし、とにかく楽しめる映画であることは確かだ。
いやぁレンタル100円だったから久々に観たけど、買ってもいいかもしれん。

85点

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