ピーター・ジャクソンの説教というもの
2006年8月3日 映画
ピーター・ジャクソン版「キング・コング」鑑賞。
「ロード・オブ・ザ・リング」三部作で大御所の仲間入り、ダイエットにも成功したピーターの「私はこれを撮る為に監督になった」と言わしめる作品。
76年版に続く二度目のリメイクになるが、評価の悪かった76年版ではなく、オリジナルは33年版に忠実につくってある。
...というが、俺的にはどーも76年版のテイストに近かったと感じられた。
33年版のオリジナルが素晴らしいのはダイナメーション技術がすごいのもさることながら、キングコングを本能のままに行動する猛獣として描いてる点である。そこにはヒューマニズムはかけらもない。
奇形児をおぞましい見世物として楽しむ、そんな風土が30年代の人類にはあった。クリーチャーはクリーチャー、猛獣は猛獣として徹底的に糾弾されそして死んでいく残酷な娯楽映画として在るからだ。
対して76年版はコングに人格を与え、人間対猛獣という基本プロットを踏襲しつつも「美女と野獣」の悲恋を描いた。最後の心臓の鼓動がゆっくり止まっていくシーンは俺の中で忘れられない名シーンのひとつである。
映画の出来不出来は別にして二つの「キング・コング」はこの点が最大の相違点であり、その観点で観ると05年版「キング・コング」は76年版のリメイクといって差し支えないと思わないか?
って誰に同意を求めてるのかわからんが。
まぁ21世紀オリジナルを忠実にリメイクしたら人権団体や動物愛護協会から総スカンをくらうのは判りきってるし、「ロード・オブ・ザ・リング」を観たらわかるようにピーター・ジャクソンは意外とモラリストの良い子ちゃんだからこういう映画になるのはわかるし、自身が言うようにフェイバリットムービーなら思い入れがあるのもわかる。
けど、3時間を超える上映時間、全然衣服が乱れないナオミ・ワッツ、ナオミとエイドリアンとの曖昧な恋愛描写、表情豊かすぎるコング等々、上げ膳据え膳的なバカ丁寧な作りが異論を挟む余地をなくしてる気がする。
仰向けになったちんこ丸出しで毛むくじゃらのピーター・ジャクソンが「観て観て〜〜〜〜」とはしゃいでるように見えるのだな。
って意味わかりませんかそうですか。
真面目だけど誠実じゃないって感じ。独りよがりな正論で3時間ずっと説教されてる気がした。疲れた。
48点
「ロード・オブ・ザ・リング」三部作で大御所の仲間入り、ダイエットにも成功したピーターの「私はこれを撮る為に監督になった」と言わしめる作品。
76年版に続く二度目のリメイクになるが、評価の悪かった76年版ではなく、オリジナルは33年版に忠実につくってある。
...というが、俺的にはどーも76年版のテイストに近かったと感じられた。
33年版のオリジナルが素晴らしいのはダイナメーション技術がすごいのもさることながら、キングコングを本能のままに行動する猛獣として描いてる点である。そこにはヒューマニズムはかけらもない。
奇形児をおぞましい見世物として楽しむ、そんな風土が30年代の人類にはあった。クリーチャーはクリーチャー、猛獣は猛獣として徹底的に糾弾されそして死んでいく残酷な娯楽映画として在るからだ。
対して76年版はコングに人格を与え、人間対猛獣という基本プロットを踏襲しつつも「美女と野獣」の悲恋を描いた。最後の心臓の鼓動がゆっくり止まっていくシーンは俺の中で忘れられない名シーンのひとつである。
映画の出来不出来は別にして二つの「キング・コング」はこの点が最大の相違点であり、その観点で観ると05年版「キング・コング」は76年版のリメイクといって差し支えないと思わないか?
って誰に同意を求めてるのかわからんが。
まぁ21世紀オリジナルを忠実にリメイクしたら人権団体や動物愛護協会から総スカンをくらうのは判りきってるし、「ロード・オブ・ザ・リング」を観たらわかるようにピーター・ジャクソンは意外とモラリストの良い子ちゃんだからこういう映画になるのはわかるし、自身が言うようにフェイバリットムービーなら思い入れがあるのもわかる。
けど、3時間を超える上映時間、全然衣服が乱れないナオミ・ワッツ、ナオミとエイドリアンとの曖昧な恋愛描写、表情豊かすぎるコング等々、上げ膳据え膳的なバカ丁寧な作りが異論を挟む余地をなくしてる気がする。
仰向けになったちんこ丸出しで毛むくじゃらのピーター・ジャクソンが「観て観て〜〜〜〜」とはしゃいでるように見えるのだな。
って意味わかりませんかそうですか。
真面目だけど誠実じゃないって感じ。独りよがりな正論で3時間ずっと説教されてる気がした。疲れた。
48点