「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」観賞

老人養護に赤ん坊が捨てられた。その子は老人のような姿をしてたが施設職員のクイニーはその子にベンジャミンと名付け育てる。成長するにつれ若返っていくベンジャミンはある日、6歳の少女デイジーに出会うのだった......


一言で言ってしまえば
ブラピ・ミーツ・「フォレスト・ガンプ」
といった体の作品である。

時代の流れと逆流するように若返る様とそのせいで翻弄される男をブラッド・ピットはとても上手に演じた。後半の20代の演技なんか多分CGとか使ってるんだろうけど、「リバー・ランズ・スルー・イット」時のブラピを彷彿とさせファンには垂涎ものではなかろーか?また相手役のケイト・ブランシェットも若いときから中年まで簡単なメイクと仕草だけで演じ分けた(お婆ちゃん時はさすがに特殊メイクだけど)。ハリウッドきっての演技派の本領発揮だろう。
昨今流行りの単館系には見られない”金かけた感”バッチリなところも映画として評価できるし、なにより監督のデビッド・フィンチャーらしからぬ正統な作りに舌を巻いた。
老いたデイジーが話すベンジャミンの晩年とその臨終に目頭が熱くなるほどに。
アカデミー賞にノミネートされたが、なるほど、アカデミー会員が好きそうな作品ではあるな。

しかし、俺的には「フォレスト・ガンプ」や「ビッグ・フィッシュ」の方が心に残るように思う。とある男の一代記という点では三作三様だが”数奇さ”では「フォレスト・ガンプ」の勝ちだし”人生賛歌”としては「ビッグ・フィッシュ」の方が優るのだ。
”どんどん若返”る”ブラッド・ピット”という設定もキャスティングも贅沢な映画のくせに消化不良って感じ。「思ったほど数奇じゃないよね」って印象が残るのだな。

とはいうものの、だからこそ共感できる部分もあるし、フィンチャー嫌いの俺でも160分オーバーの長尺を飽きずに観ることができたのでとりあえず観て損はないと思われる。でも「フォレスト・ガンプ」が無性に観たくなったのが正直なとこ。(笑)

59点


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