魚屋を営んでいる友人が、近海本マグロのカマを持ってきた。
刺身を頼まれたのだが突然キャンセルされたからいらないか？とのこと。
その日の晩ご飯は豚汁とつけもの＆餃子と決まってたのだが、急きょ変更してカマトロの刺身と相成った。
一盛り一万円の刺身を三千円におまけしてもらった。持つべきモノは魚屋の友達である。

北陸の漁港に本マグロが水揚げすることはほとんどない。また、地場の漁師さんが多いので、遠洋漁業も盛んではない。よって魚の宝庫北陸でも、家庭でおいしいマグロを食うことは少ないのだ。これからの季節はブリが上がってくるのでもっぱらそっちを食す。
というワケで俺自身もマグロ（大トロ＆中トロ＆カマトロ＆ホホ肉）で腹一杯になった経験はないのでワクワクして夕食を待つ。

ジャジャジャーーーン！
と出てきた皿にはマグロの刺身がドーーーンとある。
しかも赤くない！トロ系ばっかりなので皿はピンク色だ。
夢にまで見たトロ三昧、自然と涙がこぼれる(T^T)。（嘘）

最初はみごとなサシのはいった大トロ、これに至ってはもはやピンクですらない、白色だ。口に含むと...
「甘〜〜〜い(。-_-。)」
もう、とろけるとろける。筋ひとつひっかからず溶けていく。味が濃いのでこの甘い香りで飯が食えるのだ、いや、ホント。

次に中トロ、こちらは大トロよりは刺身然としてるので食った気になる。
うーん、日本酒が欲しくなるなぁ。

最後はホホ肉だが、これ、はじめて食ったけど、牛肉のハラミっぽい食感で旨い。ホホ肉のステーキというのがあるそうだが、なんかそうして食ったら旨い気がした。

本当にうまい。やつめ、相当気張ったんだろうなぁ....
と思いながら食ってたのだが、このローテーションで3順もすると箸が鈍り出す。
特に大トロ、こいつがしつこいのだ。いつまで経っても口の中から大トロの匂いが消えない。しかも脂っこいから飯がすすんでしまって、腹いっぱいになってくる。
嫁さんは一切れ食って「もういらない」と言い出す。
おまえ、トロ好きじゃん(^_^;)　見ただけでおなかいっぱい？　安上がりで結構だが、今日は食ってくれ、頼む。(笑)
かくいう俺も4切れ食ったらもう結構って感じだったのだが。

炙って食ったら旨いかも？という浅知恵で火に掛けるが、中トロはまだしも大トロは溶けてなくなっていくだけ(^_^;)。
目の前にはピンク色の刺身の山.....

結局みそ汁の具になりました。(T^T)

結論：旨いものはちょっと足りないから旨い。

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君からの　電池の切れた　腕時計
　引き出しの中　時が戻るる