俺の名字は全国的に珍しいが県内では市の名前になっているので同県の人には間違われない。おかげでヘンな業者からの電話はすぐわかる。ちゃんと呼んでもらえないからだ。こういうときは役に立つ。

さて、幼いとき「自分の先祖はどんな人だったのだろう?」と興味を持ったことはないだろうか?御多分に漏れず俺もそのクチで、祖父に「どうしてボクの名前は浜乙女(仮名)なの?」と聞いたものだった。
存命でまだまだ元気だった祖父は色々と話をしてくれた。ビルマでの戦いやシナでの戦い等、戦争での活躍の話なんかは子供心に興奮したものだ。

その祖父は俺の名字の由来をこう語った。かいつまんで書こう。
平安時代末期の話である。当時平家の下級武士だった先祖は倶利伽藍(くりから)の合戦で木曽義仲の軍勢に敗れ能登半島の付け根あたりに落ち延びた。しかし敗走する彼らを執拗に追う義仲軍、一団は東へ東へと逃げるのだが、追っ手はそぐそこまで迫ってきている。「もはやこれまでか......」自害を決意した一行の目の先に見えたのは国鉄「浜乙女駅」!この電車に乗って逃げれば追っ手も追いつけまい。落武者たちは喜び勇んで切符を買った。しかし俺のご先祖は下級武士だ。俸禄も少ない。切符を買う金は持ち合わせていなかった。迫る発車時刻と追っ手!! ここでご先祖様は一世一代の大博打を打つ。当時上級の人しか姓を名乗っていなかった。当然ご先祖さまには名はあっても姓はなかったが、自害した武士の立派な兜と刀を拝借してこう見栄を切るのだ。「我こそは浜乙女●●なり。今は持ち合わせがないが自宅に帰れば倍の運賃を払ってやるからツケで乗せろ」 首尾良く電車に乗り込んだご先祖様は終着駅に着き、そこで運賃を支払うために商売を始めた.....

これが俺の名字の由来だそうだ(^_^;
ちなみにこの話、中学2年生まで信じてました(笑)

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