宮部みゆきと言えば、現代日本の社会問題を鋭い視点でえぐり取り、誰でもわかるような単純で多少考えさせるエンターテイメント作品に仕上げる希有なライトノベル作家(笑)であるのだが、この「理由」という作品は読み手がインタビュアーの視点になって読み進むという一風変わった作品である。
そんな作品を、尾道三部作をはじめ数々の地域限定(四国中国)作品で一世を風靡した宮崎駿と双璧を成すロリコン監督大林宣彦が映画化した。

1996年のある夜、荒川区にある超高層マンション“ヴァンダール千住北ニューシティ”で一家4人が殺される事件が発生する。当初4人の遺体はここに住む家族と思われていたが調べを進めるうちに4人は一家とはまったく赤の他人であることが判明する。一家の行方は?殺された4人は何者なのか?真実は意外な方向に進むのだった....

物語自体は良くできた原作とそれをいじらなかった脚本のおかげで大崩れすることなく安心して観られる。多くの出演者に有名俳優を使った演出も大林の人脈のおかげであろう、物語に華を持たせていると思う(え?この人○○○○子!!(゜o゜;)という意味において(笑))

しかし惜しむらくはただそれだけであって、監督の味というか、原作を「映画」として昇華させてないのが残念である。そこそこ人脈がある人でそこそこ映画をかじった人なら作れてしまう作品だ。特にエンディング、小説をそのまま字幕でパクるってのはどうなのよ?

「OUT」「模倣犯」と大評判の原作の映画化失敗という煮え湯を飲まされた宮部みゆき、この直木賞作品は是が非でも成功させたかったに違いない。だから、「原作に忠実」と制作に注文をつけたと推測。ちょっと言うこと聞き過ぎじゃねぇか?WOWOW (ーー;)

あと久本、ホントに大根だから映画は断れ。

54点

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