兵どもの夢のあとというもの
2005年4月4日 映画
映画「アビエイター」を観たあとの率直な感想である。ハワード・ヒューズその人の人生とこの映画にかかわった全ての人に対する印象がそうなのだ。
主人公ハワードヒューズが関わった数々の産業、特に航空産業と映画産業は共に夢や金を無尽蔵に喰らう怪物である。そこに身を投げ入れ紆余曲折を経ながらも50年以上巣くうことが出来たのは、幼少の頃のから培われてきた無邪気さ所以であろう。
一般的にはプレイボーイでわがままで変わり者で破天荒の大富豪といわれているが（実際そうだが(笑)）、携わった事業の多くを成功させ、その一部が現在でも大手でいられるのは彼の才覚＆人間的魅力が故だろう。監督マーティン・スコセッシはそんな内なる「人間ハワード・ヒューズ」を描ききった。
そしてレオ様（ここではマジで彼に敬意を表してそう呼ばせていただく）も好演、大変すばらしかった。
特に後半の鬼気迫る演技は「ギルバート・ブレイブ」以来久々に映画の神様が降りてきたような印象を受けた。多少遠回りしたが、ようやく本物の俳優になった気がする。本人も言ってるようだが、「タイタニック」に出るくらいなら「ブギーナイツ」に出演してた方がどれだけキャリアにハクがついたことか。俺は多分、今後は彼の作品は手放しで鑑賞することになるだろう。
さて、観賞後の最大の疑問は
1 ディカプリオの好演
2 ハリウッド好みのシナリオ＆題材
3 2004を代表するバジェットムービー
4 無冠の帝王スコセッシ監督作品
と、これだけの材料が揃ってるにもかかわらずアカデミー賞を穫れなかったことだ。
観てわかった。これこそ作品賞にふさわしいはず。
いや、「ミリオン....」は未見なので軽々しく言えないけども、そこまで毛嫌いする意味がわからん。
（もしかしてミラマックスが原因か？そうなのか？）
お得意のニューヨークスタイルを封印して賞獲りを狙ったスコセッシ、自分を貫いてもダメ、日和ってもダメとなるとどうする？グレるか？(笑)
90点
