この後作られる多くの映画に少なからず影響を与えた冒険活劇の金字塔「ルパン三世 カリオストロの城」

往年のルパン好きの方々から見たら幾分評価が落ちるのはわかる。
ルパンの魅力であるところのエロスとダークさとスタイリッシュなところを排除し活劇に特化させた本作は許し難いのだろう。まぁ前作の「マモー(ルパンVSクローン人間)」もよかっただけに余計にね。
あと、宮崎のロリコン趣味が許せんという声も多い。純粋で汚れないものの象徴としてのクラリスとそれに恋するルパンってーのがむかつくらしい。

原作のダークテイストを持つテレビアニメは1971年の放送である。このルパンをリアルタイムで観た四十以上のおっさんが「昔の方がよかった」と文句をつけるのはわかるが、「カリオストロ」すらリアルタイムに観てない若造が新旧2つを比べてどーのこーの書いてるのを見るとちょっと待て、と言いたくもなる。

はっきり書いちゃうが
ストーリー、テンポ、音楽、脚本、美術どれをとっても文句のつけようのないこの「カリオストロの城」を観ながらそんな台詞を吐くヤツは目くらとしか言い様がない。昔のルパンがオンナも抱いたりワルサーで人を殺していようが、はたまた宮崎駿がロリコン趣味であろうがなかろうが、そんなもんどっちでもよろしいのだ。問題は「カリオストロの城」が面白い映画かっつーこと。
オープニングの国営カジノのシーンからエンディングの銭形のとっつぁんとのカーチェイスまで隙のない脚本は宮崎駿がこれを越えるホンを未だ作れてないくらいことや後のルパンシリーズでこれ以上の作品が現れてないことからもわかるし、クラリスの時折見せる強さは純真無垢の少女というよりオードリーと共通する可憐さと捉える方が自然だ。

映画はその人の歴史でもある。
マイフェイバリットルパンが「DEAD OR ALIVE」な人もいるだろうし、「マモー」の人もいるだろう。「念力珍作戦」の人もいるかもしれない(笑)
http://www.toho-a-park.com/video/new/nenriki/d_index.html 参照)
「カリオストロ」を知らないなら薦めるし、知っててかつ「DEAD OR ALIVE」が好きな人ならとやかく言わない。人間性をこっそり疑うだけだ(笑)。

傑作である「マモー」や初期のテレビ版ルパンを否定するわけではないのよ。モンキーパンチをオマージュした別物という色眼鏡を外してもらえるだけでいい。
改造フィアットを楽しそうに操るルパン、シケモクをうまそうにくわえる次元、クラリスの姿に「可憐だ」とつぶやく五右衛門、最後の最後にくっさい台詞を吐く銭形....
きっと本作品も貴方の好きなルパン三世であるはずだ。

100点

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