韓国なんちゃってホラーというもの
2004年12月23日 映画
モダンホラーの定義とはなんぞや?
「インターネットや携帯電話など現代的なツールを使いながら都市伝説を織り交ぜたホラーのこと。」
わかりやすい定義ではある。
「現代的なカメラワークとCG技術をフルに用いてスタイリッシュな映像美で観客に魅せるホラーのこと」
うむ、まぁそれもあろう。
「人の防衛本能に直接作用させ、科学的に恐怖を煽ることも主としたサイエンスピクチャー」
ほう、たしかにそうとも言えるな。
「リング」や「呪怨」などのジャパン・ホラーはそれらの要素に加え日本独自の「控えめさ」を表に出したおかげでオリジナリティ溢れる良作になった。加えてプロットがしっかりしてるのでハリウッドでも大崩れすることなくそれなりに楽しめる作品に仕上がったのだが、この2作の陰に隠れて雨後の竹の子のようにホラーが制作され、そのほとんどがこけおどしのクソ映画だということも忘れてはならない。
ということを踏まえて韓国映画「箪笥」を観る。
韓国の有名な怪談話「薔花紅蓮伝」(継母に虐められ自殺した二人の姉妹が、幽霊になって仕返しするという話)をモチーフにしたホラーであるのだが、この韓国では有名な怪談を日本人は知らないというところがまず問題。事前知識がないとはじめの30分はなにがなんだかわからないという状況に陥ることになる。
くわえて無駄な伏線が多すぎるというもの大問題だ。結局それらはなにひとつ解決されずエンドクレジットを迎えるワケだけど、その消化不良感は他の追随をゆるさない。
そして....もっとも根本的な話になるのだが.....この映画はストーリーが破綻しているのだ。オープニングの病院でのシーンは結局どこにも繋がらず妹が誰に殺されたのか?母親の霊の必然性と意味、継母の性格の変化等々、ワケがわからんシーンのつなぎ合わせなだけ。故に頭の中で「?」が広がって恐いと思うヒマがない。これはホラーとしては致命的だろう個人的には恐いの嫌いなんだけどね
途中まではよかったのになぁ..「シックス・センス」「アイデンティティー」っぽくって。それが出来損ないの「ツインピークス」をみせられるとは...(T^T)。
こんなもんはホラーではない。大きな効果音やショッキングな映像で驚かすだけのびっくり映画だ。
「カル」でも思ったんだけど、韓国人にこういうジャンルの映画は作れないというのがよくわかった。もう難しいこと考えずストレートで行ってください!
ホラーみたいな観る人を選ぶマイナージャンルの映画はピンク映画と同じく”やっちゃったもん勝ち”みたいなとこがあるし作家性が発揮しやすいところだから目くじらたてることもないだろう
という意見もわからんではないが、メジャー配給会社に乗っかった時点である程度の責任が生じると思うのよ、作り手も配給も。アルバトロスじゃないんだから。という意味でこの三流ホラーを韓流ブームにのっかって大々的に宣伝したコムストックの罪も重い。せっかくいい映画を配給してる会社なのに....
この映画、ドリームワークスが史上最高額でリメイク権を得たそうだ。
スピルバーグはこれをどう料理するか?ちょっと楽しみではある。
25点
「インターネットや携帯電話など現代的なツールを使いながら都市伝説を織り交ぜたホラーのこと。」
わかりやすい定義ではある。
「現代的なカメラワークとCG技術をフルに用いてスタイリッシュな映像美で観客に魅せるホラーのこと」
うむ、まぁそれもあろう。
「人の防衛本能に直接作用させ、科学的に恐怖を煽ることも主としたサイエンスピクチャー」
ほう、たしかにそうとも言えるな。
「リング」や「呪怨」などのジャパン・ホラーはそれらの要素に加え日本独自の「控えめさ」を表に出したおかげでオリジナリティ溢れる良作になった。加えてプロットがしっかりしてるのでハリウッドでも大崩れすることなくそれなりに楽しめる作品に仕上がったのだが、この2作の陰に隠れて雨後の竹の子のようにホラーが制作され、そのほとんどがこけおどしのクソ映画だということも忘れてはならない。
ということを踏まえて韓国映画「箪笥」を観る。
韓国の有名な怪談話「薔花紅蓮伝」(継母に虐められ自殺した二人の姉妹が、幽霊になって仕返しするという話)をモチーフにしたホラーであるのだが、この韓国では有名な怪談を日本人は知らないというところがまず問題。事前知識がないとはじめの30分はなにがなんだかわからないという状況に陥ることになる。
くわえて無駄な伏線が多すぎるというもの大問題だ。結局それらはなにひとつ解決されずエンドクレジットを迎えるワケだけど、その消化不良感は他の追随をゆるさない。
そして....もっとも根本的な話になるのだが.....この映画はストーリーが破綻しているのだ。オープニングの病院でのシーンは結局どこにも繋がらず妹が誰に殺されたのか?母親の霊の必然性と意味、継母の性格の変化等々、ワケがわからんシーンのつなぎ合わせなだけ。故に頭の中で「?」が広がって恐いと思うヒマがない。これはホラーとしては致命的だろう個人的には恐いの嫌いなんだけどね
途中まではよかったのになぁ..「シックス・センス」「アイデンティティー」っぽくって。それが出来損ないの「ツインピークス」をみせられるとは...(T^T)。
こんなもんはホラーではない。大きな効果音やショッキングな映像で驚かすだけのびっくり映画だ。
「カル」でも思ったんだけど、韓国人にこういうジャンルの映画は作れないというのがよくわかった。もう難しいこと考えずストレートで行ってください!
ホラーみたいな観る人を選ぶマイナージャンルの映画はピンク映画と同じく”やっちゃったもん勝ち”みたいなとこがあるし作家性が発揮しやすいところだから目くじらたてることもないだろう
という意見もわからんではないが、メジャー配給会社に乗っかった時点である程度の責任が生じると思うのよ、作り手も配給も。アルバトロスじゃないんだから。という意味でこの三流ホラーを韓流ブームにのっかって大々的に宣伝したコムストックの罪も重い。せっかくいい映画を配給してる会社なのに....
この映画、ドリームワークスが史上最高額でリメイク権を得たそうだ。
スピルバーグはこれをどう料理するか?ちょっと楽しみではある。
25点