「亡国のイージス」を観る。

旬なネタを無骨なアクション小説にし功を奏した原作。いや、あれはあれで分かりやすくて「戦争論」並みには楽しんで読むことが出来た。複雑な人の絡み合いとそれぞれの男の生き様を自衛隊の諸問題と日本の置かれた立場の中で描いた福井はホント、上手な人なんだと思う。

で、それが映画になるとなんでそうなるのかなぁ、なんて思うのよ。

映画である以上、尺の問題や作り方が小説と違うから取捨選択は絶対必要だ。小説をそのまんま映画になんかできっこない。「ロード・オブ・ザ・リング」のように無尽蔵に金があるなら可能かもしれんが、ほとんどの映画は小説は”原作”として扱い足したり引いたりして映画を作る。
で、この映画、基本的にオミットする箇所を間違っている。
多分あの小説を冒険活劇にしようとしてるからなんだろうが、とにかく人間関係や心理描写の部分を端折りすぎだ。原作読んだ俺ですらついてけない部分があった。バックグランドを回想シーンで済ませるなんざ中学生の脚本レベルだろ。
そのくせ音楽やCGは懲りまくって感動巨編に仕立て上げようとする始末。
こうやって失敗した映画があったなぁ....と考えてたら思い出した。
「ホワイト・アウト」だ。

「ホワイト・アウト」が「ダイハード」のパクりなら「亡国のイージス」は「ザ・ロック」のパクりである。そのパクリ具合のショボさも含めて良く似ているな。
途中からテロリストの決起の意味や国防論がどうでもよくなったあたり、福井はあれか?やっぱこういう単なる流行り右寄りファッションがかっちょいいって思ってるだけなのか?ということがわかってしまったわん。(´・ω・`)

とはいうものの、「戦国自衛隊」「ローレライ」よかは面白い。中途半端さはどれもアレだが、大人の鑑賞に堪えうる作品といえるだろう。
それより自衛隊、陸自の「戦国」海自の「ローレ」に続き今回の「亡国」も海自全面協力。いいのか?こんなのに血税を使って。(^_^;)
空自は「ベスト・ガイ」で痛い目にあってるから模様眺めなのだろう、賢明である(笑)

52点

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