オレンジの瓶を愛用するあの人は
そのフレグランスのとおり竹を割ったように闊達で
しばしば僕を唸らせるくらい男らしいところを見せたけど
ベッドの中じゃ僕の手の上に居てくれたから
ちょっと優越感に浸ることができたんだ

シャワーのあとに
僕の首もとに巻き付いて眠ってても
なんでかその香りは残ってて
ずっと不思議に思ってたけど

オレンジの瓶のやつじゃなくって
実はあの人の芳香にやられてたってこと
コスメショップのテスターで
今更ながらに気付いて
薄っぺらい香りにまとわりつかれながら
ちょっと泣けてきた

掌の上で転がってたのは
僕の方だったんだ

http://diarynote.jp/d/38325/20030726

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索