愛用しているライターと時計が壊れる。
ライターはデュポンのアンティーク。祖父からの形見分けでもらったものだ。今でもパーツが簡単に手に入るのと一発着火の気持ちよさで使ってるシロモノ。銀製だからどんどん味わいが出てくるのがいい。会社へはデスクが禁煙になったので持っていかなくなった。もっぱら家で使う程度だ。そのライターのガスを入れる部分が壊れた。どこで修理すればいいかわからなかったので百貨店に持っていくがよくわからないらしい。
時計はロレックスのエクスプローラー2。景気のよかったころローンで買った。当時はまだ高くなかったが今は結構人気あるのか値段が上がってるみたいだ。こいつはゼンマイが切れたのだろう、手で巻いてもすぐ止まる。懇意にしている時計屋にもっていくと5万円也の見積もり...うーん、安くしてくれてるのだろうけどその5万が出ない状況なのよ。とりあえず、保留ということにしておく。

かたちあるものは全て崩れる。時計もライターも。でも俺は俗人だから、カタチあるものを欲し、そのままのカタチとして遺したいという欲がある。だからなんとかして元の状態に戻そうとするのだな。色即是空、この世のモノは全て幻なのよ、と割り切れる程達観すればきっと納得できるのかもしれない。
恋愛もきっとそうなのだろう。相手に偏らず、囚われず、拘らないことでうまくいくのでしょう。

でもね、

そんな恋愛は全然面白くないんだな。
偏執的に、そしてもがき苦しんで足掻いてお互いに傷付け合うことこそ色恋の醍醐味。
相手を想って枕を濡らせ! 夜中にワケわからず大声出せ! 意味もなく全力疾走しろ!
いつまでも今みたいな恋愛できると思うなよ。年を重ねていくとそういう激しい感情は衰えてくるのだ。なんか解った気になったり、深追いしないように、ってアラームが働いて事前に防波堤まで作っちまう。気恥ずかしいってのもあるしな。
しっぽりまったりもいいけど、それは40過ぎてからでも遅くはない。
若いうちは全身全霊かけて毛穴から煩悩の汁を吹き出しながら、相手を刺し殺すくらいに愛してやれ!

....さて、俺は縁側で茶でもすすろうかのう、婆さんや。

「こんにちは」喧嘩のあとの 初デート
口はへの字に 手は吾が腕に

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