盗んだ男とおいてかれる男というもの
2004年6月1日 映画
格好良いなぁ、沢田研二。
ステキだなぁ、70年代。
というわけで、日本を代表するアクション映画の再観。
冴えない理科教師が原爆を作って日本を脅迫するというお話なのだが、これが有無を言わさないパワーで進行していくもんだから、「え? え? えぇ〜〜?」と気付けば画面に引っ張り込まれてしまう。
確かに行間を読めば、当時の社会情勢(原発問題、犯罪スタイル、シラケムード等)を批判してる風にも見えなくもない。しかし、若干32歳の新進気鋭の長谷川和彦はそういう真面目っぽい部分を隠れ蓑にしてとんでもないバカアクション映画を作りやがった。はっきりいってこの映画に比べたらいろんな物議を呼んだ「バトルロワイヤル」なんでかわいいもんである。
さて、そんなバカ映画も時代を重ねると熟成されるのか、当時の評価とは違ってくる。なによりあの時代に対する嫉妬の炎がメラメラとわき出てくるのだ。
いや、俺も70年代の恩恵は受けちゃいないが(仮面ライダーとウルトラマンにリアルタイムで巡り会えたことくらい)、「破壊」を肯定的な衝動として世間一般に認めてもらえるという時代は幸せだったんだろうなぁ、と理解はできる。それは「破壊」の後の「再生」になんらかの希望が持てたということの裏返しだから。
天皇の戦争責任を問うた老人は皇居で射殺された。
意味もなく原爆を作った男は被爆し、歯茎から血が出る。
命の重さの大小ではなく、重さの単位の違いというか、明らかに今とは違う価値観に戸惑い、羨望するのだ。
と、難しく書いてみたが、そんなことを考えずとも楽しめる作品であることはたしか。「んなバカなぁ(^_^;」とツッコミ入れながら観てもらいたい。
82点。
********
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押せぬボタンと 溜まる恋文
ステキだなぁ、70年代。
というわけで、日本を代表するアクション映画の再観。
冴えない理科教師が原爆を作って日本を脅迫するというお話なのだが、これが有無を言わさないパワーで進行していくもんだから、「え? え? えぇ〜〜?」と気付けば画面に引っ張り込まれてしまう。
確かに行間を読めば、当時の社会情勢(原発問題、犯罪スタイル、シラケムード等)を批判してる風にも見えなくもない。しかし、若干32歳の新進気鋭の長谷川和彦はそういう真面目っぽい部分を隠れ蓑にしてとんでもないバカアクション映画を作りやがった。はっきりいってこの映画に比べたらいろんな物議を呼んだ「バトルロワイヤル」なんでかわいいもんである。
さて、そんなバカ映画も時代を重ねると熟成されるのか、当時の評価とは違ってくる。なによりあの時代に対する嫉妬の炎がメラメラとわき出てくるのだ。
いや、俺も70年代の恩恵は受けちゃいないが(仮面ライダーとウルトラマンにリアルタイムで巡り会えたことくらい)、「破壊」を肯定的な衝動として世間一般に認めてもらえるという時代は幸せだったんだろうなぁ、と理解はできる。それは「破壊」の後の「再生」になんらかの希望が持てたということの裏返しだから。
天皇の戦争責任を問うた老人は皇居で射殺された。
意味もなく原爆を作った男は被爆し、歯茎から血が出る。
命の重さの大小ではなく、重さの単位の違いというか、明らかに今とは違う価値観に戸惑い、羨望するのだ。
と、難しく書いてみたが、そんなことを考えずとも楽しめる作品であることはたしか。「んなバカなぁ(^_^;」とツッコミ入れながら観てもらいたい。
82点。
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