嫁さんへのアリバイ、つくった。
飯、食った。
トイレ、した。
オナニー...は昨日したからいいや。
と、満を持して臨んだ映画鑑賞、そう、「華氏911」。

今さら書くこともないが、「ロジャー＆ミー」でゼネラルモータースとアメリカの生活者の真実を映し、「アホでマヌケなアメリカ白人」でブッシュと共和党、返す刀で民主党をもこき下ろし、「ボウリング・フォー・コロンバイン」で銃と国民を痛烈に批判したマイケル・ムーアの最新作である。

「華氏911」をドキュメンタリーとかノンフィクションと紹介してるメディアが多い。その上でやれ「くだらない（某国総理）」だの「偏向している（TVキャスター）」だの突拍子もない批判を耳にするが大きな勘違いだ。
すべからく創作物には作り手の意図や思想を伴う。ドキュメンタリーやノンフィクションは事実をありのまま....極端に言えば効果音や編集を極力抑えて.....表現せねばならないが「映画」に思想的偏向や不平等があって当たり前なのだ。なにを今さらアホなこと言ってるのか。小泉さん。
それを踏まえた上で最も大切なのはその「映画」が面白いかどうか？だ。
今年のカンヌでパルムドールを受賞した際、審査委員長のタランティーノが唾飛ばしながらこの映画を褒めちぎっていたが、それは「この映画が面白い」から。それが正しい映画鑑賞。だから俺もタランティーノと同じように楽しんで観た。

果たしてこの映画はブッシュ批判だけの映画か？

確かに当代大統領であるところのブッシュを「これでもか」とバカにしてる点は多いしそれは単純に笑っていられる。でも、彼が本当に批判したいのは、それを支持するブリちゃんはじめ知名度の高い人々や戦争に誇らしげに送り出す母親たちではないだろうか？
日本人が日本をよく知らないように、多分、アメリカ人もアメリカの歴史や政治を知らない。じゃなきゃ当のアメリカでこの映画が大ヒットするワケがない。知ろうとしないことがどれほど危険か、ということをアメリカが大好きなM・ムーアは国民に問うているように思う。「気付けよ！」と。

前回の選挙でラルフ・ネーダーを推し、まんまと共和党の術中にはまり煮え湯を飲まされたM・ムーア、今回は本気でブッシュを落選させる気だ。
そして見事民主党が勝ち、ケリーが大統領になったそのとき、M・ムーアはきっと「華氏911−2」を作るだろう。
だってM・ムーアは知っているから。民主党もあくどいってことを。クリントンのしてきた悪行を。ケリーの胡散臭さを。

彼の最終目標は2000年のリベンジだ。絶対。
刮目して待て！

91点

※5万ヒット多謝
今後ともよろしくお願いします。