リメイク作品の面白さはオリジナルとどうアレンジするか?がキモである。
多くの作品はそこに監督の利己的表現や「オリジナル好きっ!」光線を詰め込みすぎたり、ひねって裏の裏をかいたつもりが出来損ないの表になったりしてダメダメになるのだ。(リ・イマジネーションの某氏なんかが典型)

そんな数多あるダメリメイク作品を観るにつけ「こんなんなら一から十までオリジナルと同じに作った方がいいじゃんか!」と拳を握りしめ何度スクリーンで涙したことか。
そういう御仁は多いと思う。

そう思ったかどうかわ知らないが「そこまで言うなら完璧にオリジナル尊重のリメイクを作ってやるよ」と宣うたやつがいる。
ガス・ヴァン・サント。「ラッグストア・カウボーイ」「マイ・プライベート。アイダホ」「エレファント」右斜め上を狙った題材で独自の世界観を表現しながらも、インディーズ臭さが抜けない素晴らしい監督さんである。

ヒッチコックの「サイコ」は1960年作。
当時としては衝撃的な内容と、モノクロでありながら血を本物以上に”赤く”見せることができた傑作である。
ガス・ヴァン・サントはこの傑作をカメラワークから台詞まわし、オチを含めて忠実になぞった。確かに、「サイコ」はそれ自体完成されている作品なので、新しい解釈を加えることは難しい。時が経ち、サイコスリラーは「羊たちの沈黙」の登場や現実の事件がフィクションを凌駕するようになってしまったので、生半可な話では納得できなくなってるってーのもある。

だけど、だ。
名作をコピーするってことになんの意味があるというのか。
オリジナルではできなかったことを現代的な技術でフォローするってのならまだわかるが、横領金額が現代の物価にあわせてシフトしたのとカラー撮影になっただけの「サイコ」ならいらんだろ?

監督は現在の若者に「サイコ」を知って欲しかったと言う。また完コピとはいうものの、ノーマンベイツの描き方なぞ掘り下げた(分かりやすくした)点やサブリミナル効果を狙った(サブリミナルは効果なしだが)演出などオリジナルの部分を加えてなんとか新しいサイコをつくるという姿勢は見られる。
ただ、オチがまるっきり同じじゃ一度は観てもライブラリに加えられることはない。

もう一踏ん張りがあれば、とりあえず総スカン食らうか絶賛されるかわからんが、リメイクした意味はあったと思う。惜しい。
とりあえず俺も「こんなんならオリジナルを忠実に作り直せ!」とか理不尽なことを言わないようにしようと思いました。

44点

レビューというもの

2005年7月18日
レビューというもの
この日記も一部二部併せると2年が過ぎ、映画のレビューも250本を超えた。
数ある映画批評サイトには全然及ばないが、毎日日記をつけることがボケ防止にもつながるということなのでこれからもつらつら書いて行こうと思う。

そこでちょくちょく言われるのだが、コメントの割に点数が低いということだ。
点数を10点満点で評価するところ、5点満点で評価するところ、色々あるが、俺は偏差値で書いている。なぜか?誰もやってないから。(笑)

ということで50点が平均だ。
70以上なら大絶賛、30以下ならダメダメと思っていただきたい。
とかなんとかいって90点以上が頻繁にあるのととりあえずの限界点を100点としているので誤解が生じやすいところもある。

もちろん、浜乙女の個人的な評価なので、その他の評価や作品自体を貶めようとする意図はない......んー....作品によっては観客をバカにしくさったのもあるのでそういうのは個別に書き捨てることはあるかもしれん。
またオープンにしている以上当然のこととして、どのような場合も反論・批評・ご質問には真摯にお答えする準備はあることもお断りしておこう。

そんなワケで点数に関する問題はこういう事情からです、ハイ。
↑ベビーさんへ(笑)

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