無事、東京からの帰還である。
東京から帰るとひとまわり大きく成長した気になるのはなにも俺の都会コンプレックスだけの問題ではあるまい。今回の「ウンコ事件」を経て俺は大きく成長した。
ような気がする。
スタバにもいった。なんとかフラペチーノというクソ甘くゆるいシェイクもタバコを我慢しながら飲んだし、サンリオピューロランドにも(前を通過しただけだが)いった。
どうだ、すごいだろう。という相手もいないので(いたとしてもそんな戯言は聞いちゃもらえないが)日記に書いておきます。

さて、今回、仕事プラス大学時代の級友に会いにいったのだが、月日とは残酷なものだと実感。2年前は「ちょっとお前、髪の毛危なくない?」ってヤツが本格的、どこをどうとりつくろっても言い様がないハゲになってたり、「どうして俺はこんな子にホレてたのだろう?」と首を傾げてしまうほどかわってしまった子がいたり、すっかりオトナの仲間入りをしたヤツがいたり、さながら「あの人は今」状態になってた。

ちょっと寂しい気持ちと置いてけぼりをくらった焦りとが入り交じり複雑な心境。やっぱ人はかわっていくものなのね....
そんな中変わらずいたのがタカハシ君だった。

俺よりいっこ上の彼は東北の港町出身ということで、なにかと話が合った。切れ長の目と細身で長身、時代が時代ならモデルとして飯も食えるんじゃないか?というくらいかっちょよかったが、本人は漫画家になりたかったらしい。事実、青年誌ではマイナーだが一応コンビニにも置かれているH社のある雑誌に連載されるまで頑張ってた。そんな彼が離婚した。奥さんは彼が学生のときから8年付き合って一昨年に結婚した後輩だった。今回はその慰めコンパ(懐かしい響きだな、おい)のために集まったのだった。
懐かしい居酒屋に集まり乾杯。みんなタカハシの離婚の話題には触れずにいたが、酔いもまわり、誰かが核心をつく。
「で、どーなのよ?なんで別れたの?」
タカハシがなにを言ったか憶えてない。多分、性格の不一致だの結婚は恋愛と違うだの、そんなことをいったと思う。みんなもそれ以上突っ込まなかった。
おあいそが済んで2次会に向かう道すがら、タカハシがぽつりとつぶやく。
「別れ際に{あんたに抱かれても気持ちいいと思ったこと一度もなかった}って言われちゃったよ」
「そうかぁ...」
なにも言えない。
二人になにがあったか知らないし、きっとわからないだろう。その捨てぜりふが出てしまうくらい彼は彼女にひどい仕打ちをしたのかもしれない。
だけど、と思う。
やっぱりそれは聞きたくないよなぁ、オトコとして。

オンナは最中に演技する。
そんなに気持ちよくなくても気持ちいいフリをする。
それは善し悪しじゃない。自分に加速をつけるためだろうし、相手を気遣う気持ちからだろう。わかってるオトコは、それはそれとしてありがたく楽しむし、オンナもそんなオトコが可愛く思えてまた加速がつくのだと思う。それがわかってないと両方不幸になる。

「気持ちよくない」その言葉は過去の思い出も、さらに未来の夢をも潰しかねない。それを言わせないセックスと言わない礼儀はわきまえたいものだ。
と、東京の空を見上げて思った。

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あのときの涙と笑いが 染みついた
白楽の道 またぎゅっと踏む

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