仕事終わりかけにメールが入る。
「今日暇?」
社内の先輩から。即行で電話かける。
「暇ですけど、金ないっすよ」
「いいよ、おごるから飲みに行かない?」
人様のお金で飲む酒ほどうまいものはない(笑)。ということで即返事
「行きます」

その先輩のよく行くスナックに連れてってもらう。そのスナックはクラブ調のちょっと高級な感じでママさんも和装、接待に使うのに適した感じの落ち着いた店だった。
カラオケもあるにはあるが、客層が年輩なので歌うよりお話しする客が多い。
そんな中ひたすら騒がしい一角があった。
ちらっと前方を見てみると、どうみてもこの場には相応しくないランニング(タンクトップではない(笑))にニッカポッカといういでたちのおっさん一人が女の子2人はべらせてカミュのナポレオンブックを飲んでた。
年の頃は40代か?地声がでかいから何いってるか、聞きたくないのに耳に入ってくる。どうやらフィリピン人の奥さんの悪口を言ってるらしい。やれ、家事が遅いだの、愛想が悪いだの、俺がもらってやっただの、男尊女卑を自認する俺ですら耳障りの悪い言葉が並ぶ。当然酒も美味しくない。
「場所かえようか」と先輩が言う、顔を見ると明らかに不機嫌。でも怒りをなにかにぶつけようとはしない。それがオトナだ。
しかし、中には酔いに任せてか、無駄な正義感を振りかざしてしまう人もいる。
おねいさんにチェックを伝え、先輩はトイレに。会計を待ってると、横から「うるせぇ!」と怒鳴り声。
後ろを振り返ると、俺と同じくらいの実業家風のオトコ。着てるスーツもよさそうなものだ。飲んでる酒はおっちゃんと同じナポレオンブック(笑)。
「んだぁ、てめぇ!」
おっちゃんも立ち上がる。俺の前後の席で喧嘩が始まった。お店が騒然となる。
俺はと言えば、会計も済ませてないのと、先輩が帰ってこないため、席を立てない。財布に500円しか入ってないから立て替えるワケにもいかない。
ということで、女の子もいない席で独り水割りを作って飲む。(笑)
途中、女の子が仲裁に入るが、なかなか矛を収めようとはしない。どうやら両人はそのお店の常連らしく、お互い馬が合わないと感じてるようである。

しかし、酔っぱらいの喧嘩ほど、笑えるモノはない。
「お前いくつだよ!俺は46だっ!年下のクセに偉い顔してんじゃねぇ」
「○○(店の女の子の名前)がお前のこと嫌いっていってたぞ!」
「小汚い服で来るんじゃないよ」
「誰がこの服装で来たらダメっていったんだよ。法律で決まったかよっ!?」
もう、小学生の喧嘩である。
殴り合わないのがせめてもの救いか。

口げんかになると、若い方がボキャブラリーも豊富だし頭の回転も速いので優勢だ。バンバン相手の痛いところをついてくる。
46歳のおっさんは追いつめられてついにこんなことを口走ってしまう。

「お前...お前みたいなヤツはなぁ、絶対フィリピンにはモテんぞっ!!」

(T^T)....
言われた本人はおろか、お店の子にも失笑をかう。
そのあとは哀れなもんだった。フィリピンオンナは身体のでかいオトコが好みだ、とか、フィリピンオンナと寝たことないだろ、とか、俺なんかフィリピン妻の欲しいものをなんでも買ってやってる、とか.....
もう、いいよ、46歳。(・_・、)
あとで聞いたら、その46歳は数百万借金してフィリピンパブに勉めてた子を奥さんにしたそうである。でも、籍は入れてないとのこと。店の子いわく、不法入国だから籍入れられないんじゃないか?とのこと。

この46歳(まだ独身)を一途と見るかバカと見るかは意見の分かれるところであろうが、全国にはこういう国際結婚の例は少なくないと聞く。その度に、イヤ〜〜〜〜な気分になってしまうのだ。トホホ

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純良の 熱く滾らす かたまりを
 ほだてる心に 落とし込み挿す

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