学生の頃、夏休みを利用して外国旅行したことがある。
前述のタカハシくんをはじめ合計4名の貧乏旅行だ。
行き先は同伴のJくんの叔父さんが住むアメリカ合衆国はノースカロライナ。地理が苦手な方に一応説明すると、合衆国の中央の北の端。
当時は格安旅行券もメジャーじゃなく、バイト代はたいてシアトル行きの便を入手した。
英語を喋られるのはJ君ひとりだけ、しかもカタコト。俺は受験のとき全県模試で英語偏差値38というとんでもない数字を叩き出すくらい苦手。他の2人もまぁ受験英語程度の知識だっただろう。
シアトルに着いた俺達は早速自由の国アメリカの洗礼を受けることになる。
荷物待ちをしてたT君、が早速手荷物を盗まれる。幸い中に入ってたのは当時新発売された「写るんです」10個と着替えだったのでよかったが、外国なんだということを思い知らされる。
シアトルからミネアポリスまでエアバス、そこからバスで叔父さんの家に向かった。
そこは一面の麦(?)畑。映画「フォレストガンプ」でフォレストが走ったあの風景が広がるすばらしい所だった。あの情景はきっと忘れない。
2週間のステイが終わり、俺達は帰りのチケットの都合で一路ロスへ飛ぶ。当時のロスはニューヨークより危ないと言われていたが、そんなことはつゆ知らずビックなマックを食ったり、買い物を楽しんだり、ダウンタウンをアホみたいな顔して闊歩した。後から観光客の日本人と話したとき、その話を聞いて背筋が凍ったのを憶えてる。
帰国を前日に控えた日、俺とタカハシ君は近くのスポーツショップに入る。コンバースのオールスターが欲しかったのだ。黒人の主人に一生懸命説明するが、通じない。すると近くにいた客がニヤニヤしながらなにかつぶやく。3週間もアメリカにいると詳しいことはわからないがニュアンスで大体どんなことをいってるかわかる。そいつは「黄色いサルがこんなところで買い物してんじゃねぇよ。腐れジャップ」てなことを言ってた(想像)。なにも言い返せない。悔しかった。
しかしタカハシ君は違った。相手に日本語で怒鳴る。「ふざけんなてめぇ!」
185センチの長身からワケわからない言語でまくし立てられたヤツはぽかんとしてた。
きびすを返して主人にまんま日本語で
「コンバースの黒だよ、くろっ! 革じゃねぇって布のやつ!」
で、手に入る。
思い知った。コミュニケーションは言語・文法ではないということに。
気合いとスキンシップなのだ、大事なのは。
相手がなにを言いたいか、2週間も現地にいれば大概わかる。相手も人間だからきっとこちらの言いたいことを理解しようと努力してくれる。
それがわかってから堂々と日本語で喋るようになった。どこに行っても。
だいたい日本人は人が良すぎるのだ。誰が決めたのよ?英語が共通語だってさ。
日本に居るうちはガイジンにも臆することなく日本語をしゃべりゃいいし、外国にいってもおおまかなところは通じるもんだ。
ちなみに現在でもその考えはかわらない。
仕事上の問い合わせメールはそういうワケにはいかないけど....(^_^;)
****
この恋は 一夜の契りと 知り得ても
遅蝉の如く 君に繋がる
前述のタカハシくんをはじめ合計4名の貧乏旅行だ。
行き先は同伴のJくんの叔父さんが住むアメリカ合衆国はノースカロライナ。地理が苦手な方に一応説明すると、合衆国の中央の北の端。
当時は格安旅行券もメジャーじゃなく、バイト代はたいてシアトル行きの便を入手した。
英語を喋られるのはJ君ひとりだけ、しかもカタコト。俺は受験のとき全県模試で英語偏差値38というとんでもない数字を叩き出すくらい苦手。他の2人もまぁ受験英語程度の知識だっただろう。
シアトルに着いた俺達は早速自由の国アメリカの洗礼を受けることになる。
荷物待ちをしてたT君、が早速手荷物を盗まれる。幸い中に入ってたのは当時新発売された「写るんです」10個と着替えだったのでよかったが、外国なんだということを思い知らされる。
シアトルからミネアポリスまでエアバス、そこからバスで叔父さんの家に向かった。
そこは一面の麦(?)畑。映画「フォレストガンプ」でフォレストが走ったあの風景が広がるすばらしい所だった。あの情景はきっと忘れない。
2週間のステイが終わり、俺達は帰りのチケットの都合で一路ロスへ飛ぶ。当時のロスはニューヨークより危ないと言われていたが、そんなことはつゆ知らずビックなマックを食ったり、買い物を楽しんだり、ダウンタウンをアホみたいな顔して闊歩した。後から観光客の日本人と話したとき、その話を聞いて背筋が凍ったのを憶えてる。
帰国を前日に控えた日、俺とタカハシ君は近くのスポーツショップに入る。コンバースのオールスターが欲しかったのだ。黒人の主人に一生懸命説明するが、通じない。すると近くにいた客がニヤニヤしながらなにかつぶやく。3週間もアメリカにいると詳しいことはわからないがニュアンスで大体どんなことをいってるかわかる。そいつは「黄色いサルがこんなところで買い物してんじゃねぇよ。腐れジャップ」てなことを言ってた(想像)。なにも言い返せない。悔しかった。
しかしタカハシ君は違った。相手に日本語で怒鳴る。「ふざけんなてめぇ!」
185センチの長身からワケわからない言語でまくし立てられたヤツはぽかんとしてた。
きびすを返して主人にまんま日本語で
「コンバースの黒だよ、くろっ! 革じゃねぇって布のやつ!」
で、手に入る。
思い知った。コミュニケーションは言語・文法ではないということに。
気合いとスキンシップなのだ、大事なのは。
相手がなにを言いたいか、2週間も現地にいれば大概わかる。相手も人間だからきっとこちらの言いたいことを理解しようと努力してくれる。
それがわかってから堂々と日本語で喋るようになった。どこに行っても。
だいたい日本人は人が良すぎるのだ。誰が決めたのよ?英語が共通語だってさ。
日本に居るうちはガイジンにも臆することなく日本語をしゃべりゃいいし、外国にいってもおおまかなところは通じるもんだ。
ちなみに現在でもその考えはかわらない。
仕事上の問い合わせメールはそういうワケにはいかないけど....(^_^;)
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この恋は 一夜の契りと 知り得ても
遅蝉の如く 君に繋がる