ようやくTSUTAYAに金田一シリーズDVDが並ぶようになった。
東宝、松竹、角川、東映が数々の作品を映画化し、それぞれに金田一耕助をキャスティングしたのと、(おそらく)春樹ちゃんの強引な手法の弊害で版権問題が片付かないせいでDVD化が遅れていた一連作品が04年にどどんと発売されたのだ。
これは喜ぶべきことであろう。

で、半額セールということで「病院坂の首縊りの家」と「悪魔の手毬歌」を借りてみた。

二本連チャンで観て改めて感じたことは、女優さんの美しさ、これに尽きる。

佐久間良子と岸恵子、この二人の妖艶なお姿を拝むだけでも儲けもん。
とくに「悪魔の手毬歌」は話もすごく良くできていて、「犬神家の一族」よりも完成度は高いように感じた。
当時45歳の岸恵子の色っぽさと愛らしさは若山富三郎じゃなくても惚れるっつーの!

加藤武、大滝秀治、三木のり平、岡本信人、小林昭二、草笛光子という金田一シリーズお約束俳優さんも勢揃い。その他山岡久乃や仁科明子も出てたのね。

豪華出演陣の為仰々しい作品と勘違いされがちだが、このシリーズはアイドル映画としての側面も持ってて、今回の仁科明子、「犬神」の島田洋子、「獄門」の浅野ゆう子、「女王蜂」の中井貴恵、「病院坂」の桜田淳子と若い観客に対してアピールも忘れてない。

ちなみに古谷一行主演のテレビ版金田一耕助でも「病院坂」「悪魔の..」は作られていて、実はこっちが原作に忠実だ。
テレビ版「悪魔の...」では犯人が最後までわからず、沼に入った犯人を息子が確認するとき観客もはじめて犯人がわかるという手法をとっている。

しかし市川は途中で犯人をばらすことで、謎解きより悲恋に重心を置いた演出をした。カッティング多用したカメラ、猟奇殺人を題材にしながら男と女の悲恋を描くといった往年の市川マジック本領発揮といえるだろう。

既に斜陽期に入った映画業界の徒花という側面も否めないが、昭和の重厚な日本映画が拝める最期の作品群のひとつとして是非観て頂きたいシリーズである。

一行版金田一を全く観る気がしないのは一行@金田一をはじめとした出演者や演出の下品さがどうにも我慢できないのと軽いから。見比べればわかる。エロと下品をはき違えてはならんのだな。

悪霊島について↓
http://diarynote.jp/d/38325/20050507

「悪魔の手毬唄」 89点
「病院坂の首縊りの家」 61点

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