世の中はGWということでおやすみの方も多いことだろう。
せいぜい個人消費に寄与し、日本経済を下から支えてもらいたいもんである。
俺はと言えば更に下の階級に属する人間なので、普通に起きて普通に出勤する普通の一週間。まぁ悔しいので「ゴールデン・デー」として、いつもの定休日にひとりで盛り上がることにしよう。いつものように....(泣笑)
さて、今節期待している映画が3つある。
「CASSHERN」
「キル・ビル2」
「チルソクの夏」
「チルソクの夏」は昨年より切望していたローカル映画の東京進出である。ここでの営業成績しだいでは夏休みの全国ロードショーになると思うので東京近郊の方々は騙されたと思って観ていただきたい。新宿シネマミラノ、上野スタームービーで上演されている。また、千葉、埼玉でも今日から公開。内容は俺らしくなく、高校生の純愛ものだ。お涙頂戴ではなく爽やかな青春映画で時代背景も丁寧に作られている。昭和40年代生まれの人は必見。
HPはこちら http://www.chirusoku.jp/
「キル・ビル2」、「キル・ビル」は俺の中では昨年度公開映画グランプリをとった作品である。普通の「2」と違って「1」が売れたから作ったというようなヘタレ続編ではないのはわかるが、前回のグランプリの理由が「日本人が忘れた邦画の格好良さを呼び覚ましてくれたから」だから、マカロニウエスタンとカンフーをオマージュした今作品はちとビミョーであると言わざるを得ない。
前置きが長くなったが、と、いうことで「CASSHERN」を観る。
原作の「新造人間キャシャーン」は1973年に始まったタツノコプロ制作のアニメーションだ。
「キャシャーンがやらねば誰がやる」というキャッチフレーズは当時の小学生の心をがっちり掴んだと聞く。リアルタイムではない俺も本放送を観てた記憶があるので、今40前後の方々にとってはこれがマイ・フェイバリットアニメである、という御仁も多いのではないだろうか?
監督の紀里谷和明@ウタダの旦那もその中のひとりらしく、もう「キャシャーン大好きっ(はあと)」というオーラが溢れてる。もっともそれは公開前からの数々のワイドショーでの番宣でわかってたことだけど、今から思えばそれがマイナスイメージに働いてるのかもしれない。
「ヒッキーのPVを作ってる新進気鋭のフォトグラファーであり」
「それの旦那さんであり」
「お金も引っ張れる実力もあり」
「意外に気さくでいいオトコである」
これが妬みの対象でならなくてなんだ?(笑)
ということでいつもより斜に構えて観たのだが、感想は(たとえ真っ直ぐ観たとしても)「天は二物を与えず」というか「映画作りで大切なのは演出である」ということを改めて痛感した映画であった。
ヒッキーのPVの原色CG重ね塗り的映像美はそれはそれで楽しめたし、キャシャーンの世界観も上手に表現できてたと思う。タツノコアニメのゴツゴツ感を洗練されたCGでリメイクし、その中に重厚な人間ドラマを盛り込む、その心意気や良し。しかし、唐沢をはじめとした俳優陣を全然使いこなせてないのと、伏線の消化の仕方が下手くそ。監督の好きなカットとそうじゃないカットがすぐわかるくらい映像に差がある。全体的な統一感が感じられないのだ。
酷評ものの「マトリックス」ですら100分間トーンやカラーに統一感がある。「パルプフィクション」のタランティーノ、「時計じかけのオレンジ」のキューブリックの天才的な色彩感を見せろといってるのではない。「Love Letter」の岩井俊二や「ガメラ」の金子修介程度のことも出来んのか?ということだ。
紀里谷和明は「キャシャーンが大好きだからこれを題材にした」といった。
今回の作品を簡単にいえば、CGとVFX技術があればそれなりに「イマ風」な映画が作れることを世に知らしめた作品と言える。監督いらずと申しましょうか?
エンターテイメントとしての映画は特定少数の人間を対象にしたPVの先には決して、ない。
好きだから熱も入るのはよくわかる。しかし、それに気付いて一皮剥かないことには、カールスモーキー石井や桑田佳祐のように人生に汚点を残すことになりかねない。特に貴方は映像の世界で生きるのだからそれは致命傷になるのではないだろうか?
今後に期待して50点。
せいぜい個人消費に寄与し、日本経済を下から支えてもらいたいもんである。
俺はと言えば更に下の階級に属する人間なので、普通に起きて普通に出勤する普通の一週間。まぁ悔しいので「ゴールデン・デー」として、いつもの定休日にひとりで盛り上がることにしよう。いつものように....(泣笑)
さて、今節期待している映画が3つある。
「CASSHERN」
「キル・ビル2」
「チルソクの夏」
「チルソクの夏」は昨年より切望していたローカル映画の東京進出である。ここでの営業成績しだいでは夏休みの全国ロードショーになると思うので東京近郊の方々は騙されたと思って観ていただきたい。新宿シネマミラノ、上野スタームービーで上演されている。また、千葉、埼玉でも今日から公開。内容は俺らしくなく、高校生の純愛ものだ。お涙頂戴ではなく爽やかな青春映画で時代背景も丁寧に作られている。昭和40年代生まれの人は必見。
HPはこちら http://www.chirusoku.jp/
「キル・ビル2」、「キル・ビル」は俺の中では昨年度公開映画グランプリをとった作品である。普通の「2」と違って「1」が売れたから作ったというようなヘタレ続編ではないのはわかるが、前回のグランプリの理由が「日本人が忘れた邦画の格好良さを呼び覚ましてくれたから」だから、マカロニウエスタンとカンフーをオマージュした今作品はちとビミョーであると言わざるを得ない。
前置きが長くなったが、と、いうことで「CASSHERN」を観る。
原作の「新造人間キャシャーン」は1973年に始まったタツノコプロ制作のアニメーションだ。
「キャシャーンがやらねば誰がやる」というキャッチフレーズは当時の小学生の心をがっちり掴んだと聞く。リアルタイムではない俺も本放送を観てた記憶があるので、今40前後の方々にとってはこれがマイ・フェイバリットアニメである、という御仁も多いのではないだろうか?
監督の紀里谷和明@ウタダの旦那もその中のひとりらしく、もう「キャシャーン大好きっ(はあと)」というオーラが溢れてる。もっともそれは公開前からの数々のワイドショーでの番宣でわかってたことだけど、今から思えばそれがマイナスイメージに働いてるのかもしれない。
「ヒッキーのPVを作ってる新進気鋭のフォトグラファーであり」
「それの旦那さんであり」
「お金も引っ張れる実力もあり」
「意外に気さくでいいオトコである」
これが妬みの対象でならなくてなんだ?(笑)
ということでいつもより斜に構えて観たのだが、感想は(たとえ真っ直ぐ観たとしても)「天は二物を与えず」というか「映画作りで大切なのは演出である」ということを改めて痛感した映画であった。
ヒッキーのPVの原色CG重ね塗り的映像美はそれはそれで楽しめたし、キャシャーンの世界観も上手に表現できてたと思う。タツノコアニメのゴツゴツ感を洗練されたCGでリメイクし、その中に重厚な人間ドラマを盛り込む、その心意気や良し。しかし、唐沢をはじめとした俳優陣を全然使いこなせてないのと、伏線の消化の仕方が下手くそ。監督の好きなカットとそうじゃないカットがすぐわかるくらい映像に差がある。全体的な統一感が感じられないのだ。
酷評ものの「マトリックス」ですら100分間トーンやカラーに統一感がある。「パルプフィクション」のタランティーノ、「時計じかけのオレンジ」のキューブリックの天才的な色彩感を見せろといってるのではない。「Love Letter」の岩井俊二や「ガメラ」の金子修介程度のことも出来んのか?ということだ。
紀里谷和明は「キャシャーンが大好きだからこれを題材にした」といった。
今回の作品を簡単にいえば、CGとVFX技術があればそれなりに「イマ風」な映画が作れることを世に知らしめた作品と言える。監督いらずと申しましょうか?
エンターテイメントとしての映画は特定少数の人間を対象にしたPVの先には決して、ない。
好きだから熱も入るのはよくわかる。しかし、それに気付いて一皮剥かないことには、カールスモーキー石井や桑田佳祐のように人生に汚点を残すことになりかねない。特に貴方は映像の世界で生きるのだからそれは致命傷になるのではないだろうか?
今後に期待して50点。