アメリカ人がイラクやアフガンに執拗なまでに介入したくなるのはベトナム戦争を忘れたいからだと思う。
「ほらっボク強いだろ?エイエイ この星で一番なんだ! ベトナム?なにそれ?そんな昔のことなんか忘れて今のボクを見てよ!」
みたいな感じ。
特に最近の保守強硬派の台頭は怯えるが如くとげとげしい様相を呈してる気がしてならない。80年代はもうちょっとリベラルだった気がするぞ?
「プラトーン(チャーリー・シーン/オリバー・ストーン)」「フルメタル・ジャケット(マシュー・モディーン/キューブリック)」「7月4日に生まれて(トム・クルーズ/オリバー・ストーン)」「ハンバーガー・ヒル(誰?(笑)/ジョン・アービン)」「カジュアリティーズ(マイケル・J・フォックス/デ・パルマ)」等々のベトナム戦争ブームはそのほとんどが自虐的な作品であることをみてもわかるだろう。
もっともベトナム映画が金になると目論んだしたたかさも見えないワケではないけれどな。出演や制作に連なる名前を見ると。

さて、そんな80年代ベトナム映画といえばこれを推したい。「ランボー」
え?これってベトナム映画なの?とおっしゃる向きもあるが、元グリーンベレーのジョン・ランボーが帰国後、反戦機運の全国民から罵声を浴び、職にもありつけず、ふらり寄った街の保安官に虐げられる....
という帰還兵の悲壮を描いたドラマである。ベトナムものといって差し支えないだろう。

愛国心があり戦闘能力が高かったおかげでグリーンベレーに所属し多くの功績を挙げたランボー。しかしそれ故に戦友を失い、世間になじめず生きる目的を失うという悲劇。
まさしく戦闘兵器の肉体と死んだ魚のように澱んだ目を持つスタローンの、俺的にはこれが最高傑作だと思っている。

しかし、世の常がそうであるように、続編がファーストの持ち味を台無しにしてしまったのは笑っちゃうくらい哀しいことである。

87点

ランボーこぼれ話をすこし。

※原題「FIRST BLOOD」を日本では「ランボー」として公開したが、「怒りの脱出」からは原題も「RAMBO」と冠がついた。
※映画で使用されたコンバットナイフ、レプリカがたくさん出ているが、シリアル入りのオリジナルは100万円する。再販版でも50万円。

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